■刑務所が取り組む「リフレクティング」対話法を社会、学校でも…(熊本県)
ことし6月に拘禁刑が導入され、変革期を迎える刑務所の話題です。
受刑者の更生に向けて熊本刑務所が取り組んでいるのが「リフレクティング」という対話を用いた手法です。社会でもこの手法を活用しようと熊本市の小学校で出前授業を行いました。
龍田小学校の教室で授業をするのは、熊本刑務所の職員たち。この日のテーマが…。
「話すことと聞くことをしっかり身につけてほしいそのためにリフレクティングをやっていきます」
リフレクティングとは北欧の精神医療の現場で生まれた対話方法。熊本刑務所では受刑者の更生に向けた取り組みとして、去年から受刑者と刑務官の間で実践されています。
■熊本刑務所の職員
「話す人が自分のお話を自由にしゃべります」
授業で行ったのは■話す人 ■聞く人 ■見る人 の3人での対話です。
まずは話す人と聞く人の会話の様子を見る人は観察。次に話す人が言っていたことをどう思ったか?を聞く人と見る人で話します。その間、話す人は2人の会話を見て自分の話がどんなふうに伝わったか、どのような意見や考え方があるかを観察します。これを繰り返していくのがリフレクティングです。
話すことと聞くことを切り分けた対話を行うことで、通常の1対1の会話と比べて様々な視点の意見を受け入れる時間が生まれるのがリフレクティングの特徴です。
こうした対話の方法は刑務所だけでなく、社会の様々な場面で活用できるとしてリフレクティングの出前授業が企画されました。
■「話す」児童
「ちょっと前からスイミングを始めた。どうやったら上手になれるかなと思っています」
■「聞く」児童
「プールを頑張っているが(記録が)上がらないからどうすればいいか」
■「見る」児童
「毎日積み重ねだと思うし今、1年間練習していて最初の頃よりは少しずつうまくなっていると思うから。毎日ちょっとずつ練習していければいいと思う」
自分の話したことがどのように受け取られたのか?話す人役の児童は…
■「話す」児童
「頑張っててすごいねとか話してくれているとうれしい気持ちになります」
担当した職員は刑務所の中の取り組みを社会へと広げていくことに意味があると話します。
■熊本刑務所の職員
「これまで刑務所は中の情報を漏らすなと社会とはあまりつながりがないというのが刑務所の当たり前だった。これを少しずつ取り払い社会とつながる機会を増やしていけばもっと刑務所の中と社会がリンクしたプログラムや社会復帰支援につながっていくと思う」
社会と刑務所の見えない壁を取り払うための確かな一歩につながる授業となったようです。
(11/04 19:36 熊本県民テレビ)
・TOP
Copyright(C)NNN(Nippon News Network)