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「命って一瞬で亡くなるんだな」家を離れなかった母に「ごめんね」私のメッセージ(熊本県)



西原村古閑地区に実家がある園田久美代さん(69)は、2016年4月14日の熊本地震の「前震」が起きた後、一人暮らしだった母・洋子さん(当時83)に電話をかけました。


■園田久美代さん
「母に『(園田さん宅に)おいで』って言っても、『父ちゃんがいるから』って言うんですよ。 いないのに…仏壇があるから」


園田さんの父・英明さんは2011年に死去。洋子さんは仏壇がある家を離れませんでした。その後、2度目の「本震」。西原村は震度7を記録し、実家は全壊しました。


■園田久美代さん
「母は家の下敷きになりました。主人が駆け付けて崩れた家のすき間から手を伸ばしたら、冷たくなった母の体に触りました。家に無理やりにでも連れて来ればよかったのかなって。その思いが一番にあったから母が亡くなった時に『一番にごめんね』って。母の遺体を見た時に『ごめんね』しか出ませんでした」

園田さんは当時、地元の保育園で園長をつとめていました。子どもを支える忙しさの中、自分を責める気持ちをしまい込んだ毎日でした。あれから9年。園田さんの家の庭には、色鮮やかな花が育てられています。

■園田久美代さん
「母は目が悪かったんですけど、花が癒やしというのがあったんですよね」


母が好きだった園芸が自然と趣味になりました。地震で被災した墓地から、遺骨を庭のそばに移しました。園田さんが私たちに届けたいメッセージは。

■園田久美代さん
「命って一瞬で亡くなるんだなって。命の大切さを母の死を通して感じることが多くなりました。命っていうのは自分だけのもの、一つしかないものだから大切にしてほしいと思います」


(04/17 20:40 熊本県民テレビ)

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