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豊かな自然の中で若い映画監督が奮闘 描くテーマは「魂の再生」今秋公開(熊本県)



自然豊かな菊池市を舞台にした映画を今、28歳の監督が制作しています。映画のテーマは「魂の再生」。若い監督の挑戦に密着しました。





映画監督の内山翔太さん(28)は菊池市の龍門ダムの近くをロケ地にして映画「八月の山」の撮影をしました。



制作の指揮を執るのは熊本市にある劇団「ゼーロンの会」代表上村清彦さん(69)です。上村さんが内山さんに監督を依頼しました。



演じるのはゼーロンの会の俳優です。内山監督が、演技を指示します。

「レディとは目を合わせてほしいそらさないで、レディとはちゃんと目が合った状態で」
「なんでかわかんないけど追いつかなきゃいけない。彼女を止めなきゃいけないという思いだけで走り抜けてほしい」




映画のテーマは『魂の再生』です。心に傷を負って故郷に帰って来た女性が、果たして故郷の風土に救われるのか…。

実はこの映画、ほぼ全編がモノクロで撮影され、台詞もありません。

一体なぜ台詞と色を削ぎ落すのでしょう?

■内山翔太監督
「基本的にその情報というものを今回はなるべく少なめにした状態で見ていただくことによって、多分観客の方がのめり込んでくれると思うんですよね」



鹿児島県出身の内山監督は大学生の頃から映画の現場で働き始め、3年前に短編映画で初めて撮影監督を務めました。

そして去年、熊本に拠点を移し、上村さんと出会い、「八月の山」は台詞の無いモノクロ映画で撮ることを2人で決めました。



演じ手はどう考えるのでしょうか。

■レディ役・中村朋世さん
Qセリフがない演技について「楽しいですよ。表情で語るのは、どれだけその人(役)のことを理解してるかじゃないですか」



■暢役・吉永遥香さん
「座長と監督に何回も言われたんです『映画は演技をしないで』と」



■制作総指揮・上村清彦さん
「最初のきっかけを役者に与えて、『後はあなたの感じるようにしてください。あなたそのものをカメラに収めさせてもらう』ただそれは1回きりですからね」



菊池市長も映画「八月の山」で故郷の景色がどのように映るのか期待を寄せています。

■江頭実・菊池市長
「40年ぶりに菊地に帰った時に、俺の故郷ってものすごいんだなと思ったんですよ。まだ中身見てないから何とも言えないですけども、素材は一流です」



スタッフは、ロケ地の中の民家で合宿しながら撮影を敢行。2週間のロケを終えました。

この秋の公開を目指して制作は続きます。



■内山翔太監督
「『映画ってこういう表現もあるんだよ』と見ている人には伝えたいなと思います」

(09/05 12:54 熊本県民テレビ)

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