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「トランプ関税」発動から一転90日間停止 水産業者も懸念 農業県・熊本への影響は(熊本県)



アメリカの関税政策に、翻ろうされる日本。熊本でも不安が広がっています。

10日、私たちが訪ねたのは、ブリの養殖がおこなわれている天草市の八代海沿岸です。熊本県によりますと、最新の北米へのブリの輸出額は7億7千万円あまり。取材した場所で養殖されているブリの多くもアメリカに輸出されているといいます。

そうした中…。
■熊本県海水養殖漁業協同組合 深川英穂組合長
「関税がかかるようなことがあれば、 アメリカ国内での動きが悪くなるでしょうし、とにかく何が起こるのかわからないというのが現状」

心配していたのは、日本時間の9日に発動された「トランプ関税」です。
(トランプ大統領)
『多くの国々が我々を搾取してきたが、今度は我々が搾取する番だ。私たちは関税で大儲けしている。 1日20億ドルだ。信じられるか?』

貿易赤字の大きい国や地域を対象にした「相互関税」によって、日本への関税は24%に引き上げられました。

しかし10日。発動からわずか13時間あまりで方針を転換。報復措置をとっていない国に対して90日間、発動を停止することになりました。日本への関税も24%から10%に戻ることになります。

アメリカの関税政策に翻ろうされる私たちの生活。
■緒方太郎キャスター
「アメリカの政策に不安感が広がる中、熊本市役所の一角には、事業者向けの特別相談窓口が設けられています」


熊本市は、市内の事業者向けに9日から相談窓口を設けています。市の融資制度を提案するほか、専門機関との橋渡し役や、経営相談も受け付けます。

■熊本市商業金融課 木山英治課長
「こういった関税政策があったことで、事業者には少なからず不安感を抱いていらっしゃるところもあるかと思いますので、そういった方々の相談を受け付けながら、少しでも支援をしたい思いで窓口を設置したところです」

一旦は発動が停止した「トランプ関税」。熊本に住む私たちの生活にどんな影響があるのでしょうか。金融制度論の専門家は、関税政策が刻一刻と変わるこの状況を異常だと話します。

■熊本学園大学 坂本正名誉教授(金融制度論が専門)
「もう歴史上かつてないことで、 思いつきでやるということも初めてです。しかもゲームの感覚のように自分の力をもてあそんで政策を打つことはあり得ない」

また、心配なのが農業県・熊本への影響です。日本との交渉を行うトランプ政権の担当者は、アメリカの農産物を中心に受け入れ拡大を求めていく考えを示しています。

■熊本学園大学 坂本正名誉教授(金融制度論が専門)
「熊本は農業県なので、アメリカの農産物を買えという圧力が来た時に、(生産者が)打撃を受けることは間違いないと思う。消費者が熊本の農産物を買うんだと、そういうマインドを持ってないと」

(04/10 19:29 熊本県民テレビ)

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