■【独自】原因は「1ミリ未満の虫」天草の海辺の松枯れる 観光へ影響懸念も(熊本県)
天草地方の海辺に植えられている松の木が、赤っぽく変色して枯れています。現在、伐採の準備が進められていますが観光への影響も懸念されます。
22日、天草市有明町。造園業者が松の木1本1本の太さを測りながら印をつけていました。この松の木に“異変”が…。
■洲ア湧貴記者
「こちらの松の木、赤っぽく枯れています。印がつけられていて、今後伐採されるということです」
海辺に見えるのは風よけのために植えられた松の木。しかし、ほとんどが赤っぽくなり枯れています。同じ現象は上天草市松島町でも…。松の木に囲まれている天草パールガーデンからは観光地ならではの悩みも聞こえてきます。
■天草パールガーデン&海中水族館シードーナツ・河野壮志 次長
「うちは特に景観を売りにしている部分もあるので、お客様に景色も含めて楽しんでいただくのがサービスだと思っている。前の緑の松が広がる海との景色が戻ってくれれば」
周辺にはことし枯れた松に加えて去年伐採された松も…。美しい景色を求めて訪れた観光客から苦言もあるといいます。深刻化する松枯れ。なぜ?このような事態が?原因とみられるのが「マツノザイセンチュウ」という体長1ミリにも満たない線虫です。樹木医によりますと、線虫は暑さで弱った木の中に入り込み、水や栄養分を吸い上げて枯れさせるということです。
■樹木医・今村順次さん
「伐採して、根まで掘り上げるんですよ。そこまでしないと(線虫の)根絶は難しいでしょうね。そこまでする予算があるかということですよ」
観光への影響が懸念される天草地方の松の木被害。行政の対応も問われます。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
被害が特に深刻なのは天草地域で、景観を守るために対策をしているものの、残念ながら被害とのいたちごっこになっています。
VTRにありました線虫を松の木に運搬してくるのがいわゆる「松くい虫」です。
主な対策ですが県によりますと、松林への薬剤の散布、枯れた松の除去、松の幹に薬剤を注入することがあるそうです。
取材をした上天草市でも、薬剤散布などの「松くい虫対策」として今年度は過去最大級の予算2638万円を計上しています。
(09/24 19:04 熊本県民テレビ)
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