■落雷で奈良の中学生2人が重体 1年前には熊本の高校生も…春は雷が多くないが危険(熊本県)
10日午前11時過ぎ、熊本市内では雨が降り、落雷もありました。県内全域で雷注意報が発表されたほか、午後には熊本地方と阿蘇地方に竜巻注意情報が出されるなど、大気の状態が不安定となりました。そして同じ10日、雷注意報が発表されていた奈良県では落雷があり、中学生と高校生6人が病院に搬送されました。このうち、中学生2人が意識不明の重体です。
落雷があったのは、奈良市内の学校のグラウンドです。10日夕方、落雷によりサッカー部の男子中学生や女子高校生あわせて6人が病院に搬送されました。このうち2人は今も意識不明の重体です。
■近隣の住民
「聞いたことがないような音。ドカーンていう感じかな、びっくりした。雷よりも飛行機か何かが落ちたのかと思った」
当時、グラウンドでは、サッカー部などが練習中で、顧問らは「急に雨脚が強くなり、中断しようか迷っていたところ落雷があった」と話しているということです。
落雷による事故は約1年前、熊本県内の高校生も。去年4月、県立鹿本高校サッカー部部員など18人が、遠征先の宮崎市で雷に打たれ病院に搬送されました。熊本県教育委員会によりますと、このうち1人の部員が意識不明の重体となり、今も意識は完全に戻っていません。
去年1年間に熊本と奈良で雷注意報が発表された日数を月別に表したグラフです。ほとんどの月で熊本の方が多く、奈良よりも大気の状態が不安定になりやすいことがわかります。
相次ぐ落雷事故。熊本県内の県立学校では、文部科学省の指針などをもとに各学校がマニュアルを作成しているといいます。そのうえで。
■熊本県教育委員会体育保健課 濱本昌宏課長
「事前に天気予報を確認をすること、天候の急変などの場合には、ためらうことなく計画の変更、 中止等の措置を適切に講じること。厚い黒い雲が頭上に上がった際には、落雷の接近を意識する必要があると思います」
県教委は、どこで雷の発生が高まるか地図上で確認できる気象庁の雷ナウキャストを活用するよう呼びかけています。
【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
北島茂気象予報士とお伝えします。そもそも、この時期は雷が多い時期といえるのでしょうか?
(北島茂気象予報士)
実はそこまで多くはありません。熊本市で雷が発生した日数の平年値は、7月から8月が月に6日以上と多いのに対し、3月から5月の春は1日くらいしかありません。ただこの1日が非常に危険なんです。
(緒方太郎キャスター)
どういうことでしょうか?
(北島茂気象予報士)
ひと月に吹く風の最も多い風向きを見ますと、3月までは北よりの風ですが、4月から南よりの風に変わるんです。このため、地上付近は急に暖かくなるのに対し、上空は冬の冷たい空気が残っていて、上空との気温差が大変大きくなるんです。
(緒方太郎キャスター)
大気の状態が非常に不安定になるんですね。
(北島茂気象予報士)
そうなんです。夏場に比べると春は日数は少ないんですが、その1回でも落雷や竜巻などの激しい突風、そしてひょうが降る恐れもあるんです。
雷のサインをまとめました。暗い雲が近づく、急に冷たい風が吹く、ゴロゴロという音が聞こえてきたら雷のサインです。特に竜巻注意情報が発表された場合は、非常に活発な雨雲が近くにあるおそれがありますので、すぐに頑丈な建物に避難してください。
(04/11 19:09 熊本県民テレビ)
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