■「まさか自分が」詐欺被害者本人が語る"タスク副業詐欺"の卑劣で巧妙な手口(熊本県)
「記者のコトバ」今回はKKTに寄せられた詐欺被害の情報です。
SNS上の広告で「簡単に稼げる副業」だと誘導され、現金をだまし取られたという女性。卑劣な詐欺の手口を証言してくださいました。
詐欺被害の手口を語ってくれたのは、合志市に住む50代女性です。きっかけは5月中旬、SNSに表示された広告でした。
「アニメなどの動画を見て報酬がもらえる!」
■被害女性
「簡単な作業だし安易な気持ちでやったのが最初だった」
≪ステップ@≫「動画視聴で少額報酬」
女性は広告にアクセスし、名前や電話番号などの個人情報を登録。すると別のサイトに誘導され、動画を見るよう指示されました。その動画に高い評価をつけた画面を送ると、100円あまりが振り込まれたのです。女性はこの作業を何度か続けました。
■被害女性
「だんだん金額が大きくなって最初は100円だったけどその次は150円とか50円ずつぐらい上がっていくんですよね」
作業を繰り返すと、初日の振り込み額は2500円になりました。いい副業になると感じた矢先、2日後に思わぬメッセージが…。
■被害女性
「今までのままでいくと報酬が下がりますって。このままいくとダメだから、1回3000円とか5000円払って(作業)してください。タスク作業を行うと報酬が3900円になるから、お金は必ず帰ってきますと」
≪ステップA≫「タスク作業で報酬増額」
女性は参加費3000円を払い、誘導されたサイトで表示されたボタンなどを順番通りに押す「タスク」と呼ばれる作業を始めました。指示通りに操作をすると。
■被害女性
「3900円になってちゃんと入金されていた。詐欺ではないなと思いました」
3日間で収入が1万円を超え、すっかり信用してしまい、翌日さらに高額の収入を得られる作業に参加したのです。
≪ステップB≫高額化した「タスク」の罠
女性は次に1万円を振り込み、同様の「タスク」を行いました。報酬としてそれ以上の金額が振り込まれるはずが…
■被害女性
「次があります」って。「計4回タスクが必要です」と後から送られてきたんですよ。「この作業が終わらないと引き出せない」って。
さらに3万円を振り込み作業を続けていると、今度は。
■被害女性
「『間違えて入力したからエラーが発生しています。修正するためには3万円×5倍(15万円)を振り込まないと修正できません』という感じで『それを行わないと引き出せません』と来た」
高額な振り込みを疑問に思ったものの、女性は自分のミスで迷惑をかけたと感じ、追加で15万円を振り込みました。しかし…
「ミスがあったので利益にならない」
身に覚えのない手順ミスを指摘され、さらに25万円を請求されました。あまりに不自然だと我に返った女性が警察に相談すると…。
■被害女性
「(警察に)『詐欺です』ってはっきり言われました。自分が被害者になるとは思わなくて、ショックなのが一番でしたね。まさか自分がと思いましたもん。簡単にいろんなものに手を出すなと思いました。気持ち切り替えて一生懸命仕事するしかないと思いますね。その分取り返すためにも」
【スタジオ】
(吉田佳記者)
熊本県消費生活センターが発表した、「副業や投資」に関するトラブルの相談件数です。2024年度は167件の相談があり、被害総額は約4億2000万円にのぼっています。
相談者を年代ごとに見ますと、20代が44人と最も多いものの、30代から70代以上も20人前後と広い世代に及んでいます。
(緒方太郎キャスター)
副業を名目とした被害について、県警生活安全企画課は「『手軽に稼げる』とうたう広告は詐欺の可能性があります。多額のお金を失う前に、やり取りを中断し警察や家族に相談してください」とコメントしています。
(06/06 19:57 熊本県民テレビ)
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