NNNニュース

記者解説「終盤戦の情勢」 参院選20日投開票【徳島】(徳島県)



7月20日、投開票が行われる参議院選挙について、ここからは取材にあたっている浦川記者とお伝えします。

今回の選挙戦の構図と、各候補の動きはどうなっていますか。

はい、今回の選挙戦は、野党共闘の体制で臨む現職に、議席奪還を目指す自民党の新人ら3人が挑む構図となっています。

■自民党・新人 大石 宗 候補

自民党の新人、大石宗候補は、地方分散型国家への転換や、政治の刷新を主張しています。

(大石宗 候補)
「都市から地方への人の移動、モノの移動お金の移動これを全力で進めて行く」
「都市集中から地方分散へ、この国家の大改革を」

選挙戦では、徳島・高知両県の自民党県議や市議と各地を回り、連日個人演説会を開催。

小泉農林水産大臣や石破総理も応援にかけつけるなど、組織力を活かした選挙戦で浸透を図っています。

■無所属・現職 広田 一 候補

無所属で現職の広田一候補は、ガソリン税の減税や、基礎年金の底上げを重点施策に掲げています。

(広田一 候補)
「税金の使い方を変えて、暮らしに寄り添う」
「一人一人に向き合う、そういった国の税金の使い方に変えようではありませんか」

事実上の野党共闘体制を整え、選挙戦に挑んでいる広田候補。

17日間のうち、半分以上を徳島での活動に費やしていて、知名度の拡大を目指す終盤の戦いでは、立憲民主党の幹部が続々と応援に入り支持を訴えました。

■参政党・新人 金城 幹泰 候補

参政党の新人、金城幹泰候補は、消費税減税や積極財政の経済対策を訴えています。

(金城幹泰 候補)
「公共事業ですね、しっかりと建設国債を発行して促進していく」
「それから郵政の再公営化、こういった政策によって地方に雇用を生み出していく」

支持拡大の中心となるのが、SNSでの発信です。

街頭演説を30秒程度のショート動画にまとめ、党員がそれぞれのSNSで拡散しています。

政権与党への批判が強まる中、若い世代や無党派層の取り込みを狙っています。

■NHK党・新人 中島 康治 候補

NHK党の新人、中島康治候補は、人口減少と経済の停滞を作り出したのは、自民党政権だと訴えています。

(中島康治 候補)
「与党過半数割れにすれば、ガソリンの暫定税率廃止になります」
「今回のこの投票券は、割引券です」

選挙カーの運転や選挙ポスターの貼り付けも自ら行うなど、独自の選挙戦を展開する中島候補。

与党を過半数割れに追い込むため、選挙に行って欲しいと、街頭演説で声を上げ続けています。

■カギ握る「1人区」

今回の選挙は、事実上の政権選択選挙とも言われていますね。

はい、衆議院が少数与党の今、参議院でも与党が過半数割れとなると、政権運営は難しくなります。

カギを握るのが全国に32ある、「1人区」の勝敗の行方です。

与野党のどちらかが必ず議席を落とす1人区は、全体の勝敗に大きな影響を及ぼします。

このため野党4党は、徳島・高知選挙区を含む17の1人区で候補者を一本化し、共闘体制を構築、その勝敗の行方が注目されています。

■注目の争点「物価高騰対策」

選挙の争点はどうでしょうか。

何といっても今回の争点は「物価高騰対策」だと思います。

7月の食品の値上げは、2024年の同じ時期に比べ、約5倍の2105品目に達しました。

また、エネルギー価格の上昇や円安などにより、物価は高止まりが続いています。

こうした中、各政党は現金の給付や消費税の減税・廃止などを掲げていますが、財源をどうするのかなど実現性を含め、改めて各政党の政策の内容をしっかりと見極める必要があると思います。

そして、投票率も気になるところですね。

そうですね、2022年の参院選通常選挙の県内の投票率は45.72%と、全国で最も低くなりました。

さらに、2023年に行われた補欠選挙では、2人の候補者の地元がいずれも高知ということで、県内の投票率は23.92%と、過去最低を大幅に更新しました。

今回も4人の候補者全員が高知に地盤のある人物のため、県内の有権者の関心がどこまで高まっているかが、カギとなりそうです。

日々の生活に直結する喫緊の課題に加え、南海トラフ巨大地震対策や人口減少、少子高齢化対策など、徳島・高知の両県には多くの課題があります。

有権者の方は、候補者の訴えに改めて耳を傾け、一票を投じてもらいたいと思います。

ここまで浦川記者とお伝えしました。

(07/18 19:22 四国放送)

TOP

Copyright(C)NNN(Nippon News Network)