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「足挟まれ死を覚悟」 バス乗客が”緊迫の脱出”証言 徳島道2人死亡事故【徳島】(徳島県)



7月14日、阿波市の徳島自動車道で高速バスとトラックが正面衝突し、14人が死傷した事故で、当時、高速バスに乗車し事故に巻き込まれた男性が取材に応じ、当時の緊迫した状況を語ってくれました。

■緊迫の脱出 語る

(事故に遭った男性(30代))
「左足首の腱を断裂してしまいまして、右足も縫った方がいい傷があって手術で縫ってもらった」

■高速バスとトラック正面衝突し炎上 2人死亡

14日、阿波市市場町の徳島自動車道で、高速バスとトラックが正面衝突して、高速バスが炎上。

バスの乗客1人とトラックの運転手が死亡し、12人が重軽傷を負う大惨事となりました。

当時、バスの最前列に乗車し、事故に巻き込まれた男性が取材に応じました。

(事故に遭った男性(30代))
「事故の直前、サービスエリアで休憩がありまして」
「パンと大福を買っていて、大福をほおばったくらいのタイミングで、事故が起きました」
「一番前の席に座っていたものの、対向車が突っ込んでくるとかが見えたことは一切なく」
「食べた記憶があるというか、次の瞬間には、気づいたらクレーンの頭が目の前を横切っていて」
「足は「1A」という一番前の席だったので、一番前の席は箱状のものがあると思うが」
「それと席で足が挟まれていて、激痛が走っていて、何かが見えて事故が起きるというのがあったわけではなく」
「ほんとに気づいた次の瞬間には、事故後になっていた」

東京から仕事で愛媛を訪れ、次の仕事の為、神戸へ。

バス移動をしていた男性の目の前に突如現れたのは、フロントガラスを突き抜けたクレーンのアームでした。

アームの先の席では、ぐったりとした女性が見えたといい、男性も足を挟まれて抜け出せない状態に。

前方から、黒い煙も上がり始めました。

(事故に遭った男性(30代))
「え、爆発したら、やばいじゃん」
「まず、抜け出さなきゃがほんとに、瞬時に」
「やばい、やばい」

■「足を挟まれ死を覚悟」

周りの乗客の助けで左足は抜けたものの、右足は抜けません。

そのうち、周りの乗客の避難が始まり、取り残された男性は死を意識したといいます。

(事故に遭った男性(30代))
「よくない煙が出てるし火事の、あ〜もう死ぬんだという気持ちからいろんな人の顔が思い浮かんだりして」
「また会いたいし、もっと一緒にいろんな事したい人いるなと思って、力が出たというか」
「右足がちぎれてもいいし、どうにか外へ出られれば、助けてもらえると思って、けっこう全力で声荒げて」
「ちょっとずつ動いて、あ〜と言いながら、抜いたような感じ」

■脱出後数分でバス炎上

その後、男性はすぐ横の割れた窓から外から脱出し、後続車の男性2人の手を借りて、離れた場所に避難しました。

バスが炎上し始めたのは、そのわずか数分後でした。



■現在リハビリ中

その後、病院へ運ばれ手術。

現在はリハビリ中で、7月下旬には、東京へ帰る予定です。

事故を受けて、感じたことは…。

(事故に遭った男性(30代))
「当事者になってみて、本当にそこでは亡くなっている方がいたりとか、大きな怪我をされてる方がいる」
「それがいつ自分の家族とか大切な方になるか分からないですし、そうならなようにがもちろんですが」
「なった時には、あの人に『ありがとう』って言わないままになっちゃったなとか、そういうことになりたくないなと心から(思った)」
「死にかけた瞬間にいろんな人の顔が浮かんできて、まだ会いたかったし、いろんな思い出作りたい人たちだったしと、心の底から思って」
「中には、前は仲良かったのに、ちょっとしたことで、会わなくなった人もいて、なんでそうしちゃったんだろうなというのが思い浮かんだので、常に目の前にいる人への感謝」
「いやなこという人とか、いやな上司とかいるかもしれないけど、きっちり感謝を伝える」
「目の前の人、大事にするとか見えてない人含めて、きっちり感謝を伝えるということをしたいし」
「しなくちゃいけない」

(07/18 18:56 四国放送)

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