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「審判」が足りない! 球児たちの夏に暗雲【徳島】(徳島県)



毎年、見る者の心を熱くする高校野球ですが、今、県内の高校野球界が、大きな危機に見舞われています。

試合には欠かせない「審判」の数が足りないというのです。

現状を取材しました。

(審判員)
「ストライク!!」
「ストライク!!!!」

5月17日、阿南市で開かれた高校野球審判の講習会。

四国4県から現役の審判員、約30人が参加しました。

(講師を務める審判員)
「ちょっと開いて、最後アウトのこのタイミングで開いきて、グーを握る。」
「セットポジション、コール!」
「ヒー イズ アウト!」

日本高野連の審判規則委員長らが講師となり、アウトやセーフなどの基本的な「コール」「ジェスチャー」のほか、きわどいコースの「ストライク」「ボール」の見極め方などについて学びました。

(参加した審判員)
「高校3年生が一生懸命想いを持っている」
「そのプレーにしっかり応えられるジャッジを、しっかりできるように」
「自分たちも研鑽してやらなければいけないと、改めて感じました」
「甲子園のレギュラー審判の方も講師で来られているので」
「(技術を)アップデートしたい。こんな歳ですけど…」

しかし、高校野球の審判は、なかばボランティアのようなものです。

みな別に本業を持ちながら、それでも研鑽を怠りません。

(日本高校野球連盟・尾崎泰輔 審判規則委員長)
「この審判がストライクと言ったら、しゃーない」
「さあ、並べ(整列)と負けたチームが言ってもらえるような、説得力を持つためには」
「基本、基本、基本を、追及して自分のオリジナリティを、作っていってくれたらと思います」

甲子園をかけた、夏の県予選まであと2か月。

しかし、県高野連審判部の福谷 貴弘事務局長からは、こんな嘆き節が聞かれます。

県内では審判の数が足りないというのです。

(県高野連 審判部・福谷 貴弘 事務局長)
「審判員の人数不足によって、大会運営に支障が出ている場面があります」
「徳島県では現在28人が在籍しております。どうしても足りない」

高校野球の公式戦は通常、球審1人と塁審3人、計4人の審判で行われます。

しかし、県内の審判は、この10年で10人も減少し、現在28人。

試合の多い日には14人から16人ほど必要で、現状ではとても賄いきれないのです。

(県高野連 審判部・福谷 貴弘 事務局長)
「仕事と家庭の両立。やっぱり、これが一番大変かなと思います」
「平日も試合がありますので、職場の理解があってこその審判活動」

運営側は平日の試合を減らし、土日を増やすなど工夫していますが、最近では各校の監督に塁審を依頼する事態にまで陥っていて、現場からは原状回復を求める声が聞かれます。

(阿波高校 野球部・濱口 照夫 監督)
「ジャッジがとても大きく(試合を)左右するときがあるので」
「日々練習されている方の方が、われわれも安心して試合に取り組める」

県高野連は「5年以内に10人増員」という目標を掲げ、チラシを配るなどして勧誘活動を続けています。

(県高野連 審判部・福谷 貴弘 事務局長)
「新しく入ってきた方には、トレーナーを付けて」
「練習試合や大会を一緒にこなしていく、練習していく、バディ制度を設けました」
「先輩を身近において、安心できる環境づくりに努めていこうと思っています」

土日は潰れて、道具は自前。

支給されるのは交通費程度。

しかし、それでも高校野球の審判を続けるその魅力とは。

(県高野連 審判部・福谷 貴弘 事務局長)
「選手を身近で一番近くで感じられる。呼吸、意気込み、表情を本当に間近で」
「ひしひしと伝わるポジションで、見ることができるのが一番の醍醐味だと思います」

県高野連審判部は、体験や見学を随時受け付けていて、気軽に参加してほしいと話しています。

詳しくはこちらから
(徳島県高等学校野球連盟)

http://www.tk2.nmt.ne.jp/~tokushimakoyaren/
[http://www.tk2.nmt.ne.jp/~tokushimakoyaren/]

(05/19 19:00 四国放送)

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