■県人口「大正時代並み」の67万人台 今できることは?【徳島】(徳島県)
4月に発表された県の人口は67万人台と、約100年前の規模まで減少したことが分かりました。
止まらない人口減少をどう受け止めて向き合えばいいのか、専門家に話を聞きました。
県が発表した4月1日時点の、県内推計人口は「67万8771人」。
これは、県が推計人口の集計を始めた1955年10月以降で、最も少ない数字です。
県の人口は1956年に、ピークとなる87万8671人を記録しました。
以降、80万人台で推移していましたが、2007年に80万人を切ると、2016年に75万人、2023年には70万人を割り込みました。
さらに、総務省が発表した2024年10月の推計では、2023年からの人口減少率が全国6番目に高くなるなど、人口減少の速度は加速しています。
第1回の国勢調査が行われた1920年の県人口は67万212人。
つまり、今回の発表数字は約100年前、大正時代並みの人口規模と言えます。
こうした現状に街の人は・・・?
(街の人は)
「ここ(徳島駅前)でも、昔の賑やかさがないもんね」
「私たちが育った時は賑やかだったもんね。買い物もしていたけど」
「今はほとんど(店が)閉まってる。びっくりする」
「徳島の目立つ特徴を作って、仕事で他の県外に行っても」
「結局は50代、40代になったら戻ってくるような」
「そういう大事な特徴があれば、人口が減ることはないかな」
「(人口が)減るのは仕方ないかなと思うので」
「若者向けのイベントとか、活気立つようなものがあったらいいかなと思う」
県内人口はこのまま減少が進むと、2050年には50万人を割り込むと予想されています。
止まらない人口減少と、どう向き合うべきなのか。
都市計画や街づくりに詳しい、徳島大学の田口教授に話を聞きました。
(徳島大学総合科学部・田口太郎 教授)
「人口減少は、ある意味必然的なもの。それを食い止めるということではなく」
「人口減少によって引き起こされてしまうかもしれない問題を、事前にきちんと対応しておくということを工夫する」
「そのための知恵を出すのが、今のタイミングで、すごく重要」
田口教授は、人口減少を悲観的に捉えるのではなく、今こそ地域のコミュニティを見直すチャンスだと指摘します。
(徳島大学総合科学部・田口太郎 教授)
「今、独居の高齢者とかけっこういる、その人を他人事として置いてしまうのか」
「ひとつのコミュニティのメンバーとして、できるサポートはしてあげようとか」
「そういうことをしていくことで、1人1人の生活の質が上がっていく」
「暮らしを充実させるためには、ご近所さんであったり、町内会、自治会のなかでどういう助け合いを作っていけるかというのが」
「これから特に、災害とかを想定するとすごく重要」
人口の流出を抑えるのではなく、「最終的に選ばれるマチづくり」。
これが何よりの対策になると田口教授は話します。
(徳島大学総合科学部・田口太郎 教授)
「一回出ていっても、戻ってきたくなるような街でいられるかどうかが、すごく重要ですし」
「例えば、子育てをするタイミングとか、あるいは(子育てが)ちょっと落ち着いたタイミングで」
「次の住む場所の選択肢として、自分の地元がきちんと(優先度の)上に上がってこれるような街づくりを」
「地域としてやっていけるかどうかが大事」
(05/16 18:19 四国放送)
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