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「伝福連携」で伝統の技を継承 誰もが伝統文化の担い手になる・福島(福島県)



職人が1つ1つ手作業で作る伝統工芸品「白河だるま」ですが、作り手の確保が課題の1つとなっています。

こうした伝統文化を守ろうと白河市では、障がいのある人たちが担い手として活躍する「伝福連携」という取り組みが進んでいます。

幸運をもたらす縁起物として知られる「白河だるま」。

毎年2月に開かれる「白河だるま市」では、職人が1つ1つ手作業で作っただるまが数多く販売され、多くの人でにぎわいを見せます。300年以上の歴史を持つこの伝統工芸品ですが、その伝統を支えているのは職人だけではありません。

取材したのは白河市のとある施設。

■利用者
「細かいところは難しかったです。こういう体験をさせていただけるとは思っていなかったので凄く楽しいです」

ここは障がい者が働くのを支援する施設で、白河だるまやアカベコを手掛ける「白河だるま総本舗」が運営しています。

■白河だるま総本舗 14代目 渡邊さん
「自分たちが手掛けただるま、赤べこが地域を越えて誰かの手に届くというところに自尊心ややりがいを感じてもらえればと思っています」

作っているのはだるまの絵付け体験用の型ですが、ボコボコした表面をきれいに平らにする慎重な作業が求められます。

「白河だるま」は、カプセルトイとして各地で販売されていますが、そのカプセルに詰める作業もこちらで行われています。

この施設の大きな目的ですが、ここで働くみなさん、もう1つ、大切な役割を果たしていました。

伝統工芸品「白河だるま」は職人が1つ1つ手作業で作るもの。
作り手がいなくなれば、その伝統が途絶えてしまうおそれもあり「担い手」をどう確保するかが課題となっています。

こうした課題の解決に一役買うのが、こちらの施設。
「障がいのある人が働くを支援するだけではなく、伝統産業の担い手として活躍してもらう」
伝統と福祉の連携「伝福連携」に取り組んでいるのです。

■白河だるま総本舗 14代目 渡邊さん
「いろんな方々が取り組めるのが民芸品、伝統産業の良さなので、こういった取り組みが全国に広がっていければ、担い手に困っている地域の新しい解決策にもなると思っています」

こうした連携は、全国的にも広がりを見せています。
長崎県では、伝統野菜を障がい福祉サービスの事業所が加工し、販売する取り組みが行われていて、農業の継承と障がい者福祉の連携「農福連携」とも言われています。

白河市の施設も、障がい者の働くを支えながら伝統文化の担い手となれる場所を目指し、今後も、間口を広げていきたいとしています。

■白河だるま総本舗 14代目 渡邊さん
「職人だから10年間やってなきゃいけないとか、そういうわけではなく、誰しもが入口は幅広いものであるべきだと思いますので、気軽にだるまつくりたいとか、関わりたいが来てもらえるような施設になればと思います」

(12/16 19:06 福島中央テレビ)

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