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人口減少を食い止めたい… 南会津で初の県営ドローンスクール&ドローンショー 福島(福島県)



県内でも特に深刻な人口減少問題に直面している南会津地方で、ドローンを使った町おこしが始まっています。県営のドローンスクールに県内最大規模のドローンショーなど、地域課題の解決に向けた新たな取り組みを取材しました。

県の南西部に位置し、南会津町や下郷町など4つの町村からなる南会津地方。神奈川県とほぼ同じ面積を有する地域ですが、県内でも特に深刻な「人口減少問題」に直面しています。過去10年間の人口減少率は県全体の2倍に当たる20パーセントに上り、去年の出生数は3つの町村で10人を下回っています。
この待ったなしの課題にどう向き合っていくか…
県の出先機関でこの日、会議が開かれていますが、話題の中心、いや、机の中心にドローンが…。

■南会津地方振興局 渡部 洋一郎さん
「ドローンを使って、人を育てて、そういう人たちが地域内で活躍するようになれば、地域内外で交流が生まれる。それが人口減少対策にも繋がっていくと考えました」

実はこの南会津地方で進むのは、ドローンを使った町おこしなのです。ドローンといえば、人手不足が指摘される昨今、効率的な農薬散布に使われたり、将来に向けてはドローンを使った配送実験も行われたりしています。わたしたちの暮らしを劇的に変えるかもしれないドローン。南会津地方を町おこしでその先進地にしようというのです。
その取り組みの一つが、この学校で行われているとのこと。小学校か中学校かと思いきや、廃校を使った県内初の「県営のドローンスクール」なのです。受講生は3日間でドローンの操縦技術を学び、民間ドローンスクールのライセンスを取得することができます。取り組みは注目され、初年度は定員の20人を大きく上回る80人以上の申し込みがありました。

■参加した人は…
「自分が農業が好きで、農業でドローンを活用していきたいので、ドローンという新しい技術を使って、地域に貢献したい」
「普段は南会津町の観光物産協会に勤めています。空撮をメインに操縦して、町の観光PRができたら」

ドローンを使った町おこしは、これだけではありません。この日は、下郷町でイベントが開かれましたが、ここでもドローンづくし。ドローンを使ったサッカーに、ドローンを使って景品を吊り上げるミニゲーム、ドローンパイロットによる迫力のデモフライトや操縦の体験会も行われました。そして祭りの目玉が、およそ300機のドローンが夜空を彩る、県内最大の「ドローンショー」です。「ねぎそば」や「日本酒」、「檜枝岐歌舞伎」など、南会津地方の名物などを表現した幻想的な光のアート。会場からは大きな歓声が上がっていました。

■喜多方市から訪れた家族は…
男の子「楽しかった。すごいきれいだった」
お母さん「すごい感動しました。本当にいい機会だなと思います。なかなか福島県でみられるのがなかったので」
■地元の人は…
「すごくきれいで何にも光もないところだが、すごく星のようにきれいでよかった。子どもも減ってきたり、人口減少とかもあるので、人を呼び込む事業をやるのは、また来年も続けてやってほしい」

ドローンを使った町おこし。その手ごたえは…

■南会津地方振興局 渡部 洋一郎さん
「南会津地方でことしから初めて南会ドローン中学校のスタート、第一歩という意味では非常に手ごたえを感じた1日でした。非常に歓声が大きかった、やってよかった」

特効薬のないとされる人口減少問題。その解決に向けた手探りの挑戦が続きます。

(09/10 18:37 福島中央テレビ)

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