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夏の甲子園「福島の頂点を目指して…」新体制2年目の強豪公立校は・福島(福島県)



10日に開幕する夏の高校野球福島大会。強豪公立校の田村高校と光南高校に注目します。
実は2024年この2校の監督が入れ替わるという異例の人事異動が行われました。
新体制2年目で迎える夏を取材してきました。

第5シードの田村高校。春の県大会では3位と接戦をものにして粘り強い野球で勝ち上がりました。
チームをまとめるのは、2番セカンドの遊佐真吾主将。福島市で生まれた後、埼玉で育った遊佐主将は、高校進学時に現在も福島市にいる祖父母のために地元へ戻ってきました。

そんな中、高校2年生の春…田村高校に赴任してきたのは、光南高校を4度決勝に導いた渋谷武史監督。
練習時間を半分に減らし各選手に自分の課題と向き合う時間を増やすなど「自主性」を大切にするのが渋谷監督の方針です。

ただ最初は、方針の変化に戸惑いを隠せなかったといいます。

■田村高校 野球部 遊佐真吾主将(3年)
「そうですね…最初の方は気持ちの切り替えが難しく。少し自分の心の中で受け入れたいけど受け入れがたい」

しかし、少しずつ気持ちに変化が出てきました。

■田村高校 野球部 遊佐真吾主将(3年)
「徐々に渋谷先生と練習やったりとか試合を重ねていく中で、渋谷先生の考え方を尊敬したり」毎日、自主的に行われる朝の練習。グラウンドに一番乗りしたのは渋谷監督でした。選手が来る前のグランドの整備が毎日の日課だと言います。

■田村高校 野球部 遊佐真吾主将(3年)
「ほんと毎日ですね朝来た時に車で回ったりとか練習前にホースですぐ水巻いてくれてたりとか」

どんな時も選手を優先する渋谷監督。

■田村高校 野球部 渋谷武史監督
「私を信頼してとかではなくて生徒が一生懸命できる環境を横に私がいればいい。上じゃなくて」

そんな姿勢が選手にも伝わり異例の人事異動から1年3か月、選手と信頼関係を一から築いてきました。

渋谷監督体制2年目の夏、目標は、もちろん県の頂点です。

■田村高校 野球部 遊佐真吾主将(3年)
「渋谷先生が一番悔しがっているのは自分たちも分かりますし、最後渋谷先生が泣いて終わるような夏にしたいと思います。福島県の頂点を目指して県制覇することです」

続いて、第4シード矢吹町にある光南高校。
これまで何度も夏の県大会決勝に進んだ光南ですが、2023年はベスト8、2024年は3回戦敗退。
2024年の夏、2年生でスタメンで出ていた1人が…

■光南高校 野球部 眞岡燎人選手(3年)
「先輩たちを勝たせるって気持ちでやっていたが、自分を信じ切れていなかった」

ライトの眞岡燎人選手。
優れた野球センスで1年生秋から外野のスタメンに定着。
夏の悔しさをチームの誰よりも感じています。
そんな眞岡選手には「甲子園」を約束をした人がいます。

■光南高校 野球部 眞岡燎人選手(3年)
「2人で甲子園行きたいなって話になって」

同じ白河中央中学から光南に来たキャッチャーの鈴木竜馬選手です。

■光南高校 野球部 鈴木竜馬捕手(3年)
「自分たちバッテリーで、自分がピッチャーで」
■光南高校 野球部 眞岡燎人選手(3年)
「キャッチャーでした」

中学時代はバッテリーを組んでいた2人。

学校生活も部活動でもともに時間を過ごしています。

■光南高校 野球部 鈴木竜馬捕手(3年)
「(眞岡選手は)陽気なので練習中もメリハリが足りないっていうか…」

■光南高校 野球部 眞岡燎人選手(3年)
「そのとおりです…笑」

互いのいいところも、違いも、受け入れて指摘し合い信頼を深めてきました。

さらにこの代は、高校がある矢吹町出身のエース渡辺真紘投手など地域選抜チームに選ばれたメンバーの多くが光南に進学。光南が最後に決勝に進んだ2022年夏。聖光学院に敗れた試合を見て、入部してきました。

■光南高校 野球部 眞岡燎人選手(3年)
「公立高校で聖光学院さんを倒して甲子園に行きたいなって、惜しくも決勝で負けてしまって光南高校の魅力を感じた」

幼い頃から顔の知れたメンバーと野球ができるのは公立高校の強味の一つ。
期待がかかるこの代で19年ぶりの甲子園を目指します。

■眞岡燎人選手(3年)
「竜馬との約束甲子園っていう目標にして全員で勝ちたい」

■鈴木竜馬捕手(3年)
「聖光学院っていう考えはあると思うが夏1戦1戦大事に戦って。甲子園行って2人でハグと言いますか笑顔で終われるように」

(07/08 18:39 福島中央テレビ)

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