■「それぞれが必要な収益をあげ続けるためには…」中小企業が政治に求めるのは・福島(福島県)
事実上の政権選択選挙とも言われている7月20日投票の参院選。県内には連日、各党の代表が訪れ舌戦が繰り広げられています。
「ゴジてれChu!」では10日から、シリーズで県内の様々な立場のみなさんに「一票にこめる思い」を聞きます。
初日は、地域経済を支える中小企業です。
福島では、現職と新人、あわせて5人が立候補した今回の参院選。
県民は一票にどんな思いをこめるのでしょうか…
今回、ゴジてれChu!がお話を伺ったのは、地域経済を支える中小企業です。
自動車部品などを製造する喜多方市の「マツモトプレシジョン」社長を務める松本敏忠さんです。
松本さんは地域を支える企業として「いかに持続していくか」常に考えているといいますが、その取り組みのひとつが、こちらのカーポート。
実は…
■マツモトプレシジョン 松本敏忠社長
「今見えているのは、いわゆるソーラーカーポートといわれるもので、駐車場の屋根が全て太陽光発電になっているんですね。」
上から見ると、ご覧の通り一面、太陽光パネルです。
原発事故後、エネルギー政策が課題となる中で、こちらの会社では太陽光発電に取り組み、工場で使う電力の年間平均2割ほどを確保しています。
またそれ以外の電力も、再生可能エネルギーで発電した電力を購入して使っているそうです。
マツモトプレシジョン松本 敏忠 社長
「まさにカーボンニュートラルに向けて温室効果ガスをいかに低減させるかということが工場としてできることはなにかということの、まずひとつの手段。当社の敷地をつかって、太陽光発電をして電力においては再エネ100パーセントにしていると。」
そして、パネルの下にあるこちらの電気自動車は…
マツモトプレシジョン松本 敏忠 社長
「万が一災害時の時に電力が必要になったときにこの車が発動して電力を供給すると。」
太陽光パネルで発電した電力をこの電気自動車に充電。
市などとの協定に基づいて災害が発生した際には、電気自動車が、避難所などで電力を供給します。
国内では、このところ大雨などによる災害も多く発生していますが、持続可能な地域を考える上では、会社でも、政治でも防災・減災の視点は欠かせません。
マツモトプレシジョン 松本 敏忠社長
「わが社は、地方の企業もみんな同じだと思うが地域社会に支えられていることがまず前提。地域社会はすなわち当社の従業員であったり、そういったことになるが、そういう人たちが安心安全で暮らせる地域であって、同時に会社であること。このバランスをとり続けることが持続可能な条件だと思う」
さらに、昨今の物価高の中、こちらの会社がいち早く取り組んだのが…
マツモトプレシジョン 松本 敏忠 社長
「この4年間で11パーセントの給料上昇率と」
そう、大企業との格差も指摘される「賃上げ」です。
こちらの会社では、デジタル技術を活用して効率化を目指すDX「デジタルトランスフォーメーション」に取り組み、生産性を向上。これにより、2022年以降4年で11パーセントの賃金上昇さらには、休日の増加を実現しています。
マツモトプレシジョン 松本 敏忠社長
「魅力ある地域社会づくりのためには、一人ひとりが魅力的な生活を目指さなければならない。そのためにはある一定の時間であったり、お金であったり、総合的な余裕が出てこないとなかなか豊かな気持ちにならない。これがウェルビーイングを追求する本質的なところ。そういったところにつながると考えている」
国内企業の99パーセント以上を占める中小企業。
その経営者の1人として松本さんは、会社、地域の持続に向けて一票にどんな思いを込め、政治に何をもとめるのでしょうか。
マツモトプレシジョン 松本 敏忠社長
「中小企業はサプライチェーンの流れの中の一部ではあるが、一事業者だけが収益をあげたり、収益が維持できないというのは困る。サプライチェーン全体でバランスよくそれぞれが必要な収益をあげ続けるためには、物価上昇期においても、それぞれが適切な販売価格を取り決めあいながらコントロールしていくこの体制を、一企業がなかなかやり続けるのは難しいので、こういったところを国政の中で、提言して頂きながら、調整して頂く、そういう活動が中小企業が求めている今一番のことではないか。」
(07/10 18:48 福島中央テレビ)
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