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故郷のために… 東電をやめて飲食業界に飛び込び、双葉町に飲食店を開いたオーナー 福島(福島県)



8月に双葉町にオープンした新しい飲食店の話題です。「食」を通じて故郷に恩返しをしたいというオーナーの思いに注目します。

8月27日、双葉町。地域活動拠点の施設「FUTAHOME(ふたほめ)」の1階で毎週水曜日、ランチの時間のみ営業する飲食店があります。

■中野文春さん
「双葉町に帰還して何か飲食店をやりたい思いというのがずっとありましたので」

毎週水曜日、ランチの時間のみ営業する双葉町の飲食店「粋家(すいか)」。オーナーの中野文春さんは普段、いわき市内で茨城県の常陸牛を使った焼き肉店を経営しています。
■中野文春さん
「私が実は双葉町出身でして、双葉町に帰還して何か飲食店をやりたい思いというのがずっとありましたので」
双葉町に店をオープンしたのは、8月20日。グランドメニューは常陸牛と牛たん、2種類のカレーです。

■中野文春さん
「ランチなので手軽に食べていただけるということでカレーライスにした」

中野さんは元東京電力の社員で、2011年3月に起きた福島第一原発の事故の時には最前線で緊急対応にあたりました。

■中野文春さん
「放射線管理をやっていまして、震災の時も放射線に携わっている業務に勤務していた」

原発事故の翌年に東電を退社し、一念発起して飲食業界に飛び込みました。

■中野文春さん
「私の妻がもともと飲食関係のお店を出していましたので、震災後一緒に飲食店をやりたいなと。ホールスタッフ、接客、サービス、あとは、私が担当しています」

営業は、午前11時から午後2時までの3時間。

■男性客
「よろしいですか? 牛タンカレー大盛りのセットで」

双葉町で営業する飲食店は、数えるほど。温かいランチを味わおうと、取材した日も店には多くの人が訪れていました。

■お客は…
「とっても美味しいです」
「なかなか昼食を食べるところが無かったんですけど、こういうお店ができてとても助かります」

こちらの男性は、限定メニューの冷麺を注文。

■お客は…
「涼しくて体が冷えておいしく感じました」

いまの店はチャレンジショップという形で2年契約ですが、その先も「食」を通じて故郷・双葉町への恩返しをしたいと話します。

■中野文春さん
「生まれ育った町ですし思いもありますから、目標ですけど双葉町に飲食店を営業できたらいいかなと思っています」

(09/10 18:48 福島中央テレビ)

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