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観光物産協会が「まちづくり」を担う新組織に転換 自然やマタギ文化を生かした観光メニューで「稼ぐ組織と地域」を目指す 秋田・北秋田市(秋田県)



観光名所や行事のPR、イベント運営などで地域を盛り上げる役割を果たす観光協会が、会員の高齢化や補助金を出す自治体の財政難などが重なり存続の岐路に立たされています。

こうした中、北秋田市の観光物産協会が解散し「まちづくり」を担う、新たな組織に生まれ変わりました。

若者が中心となって森吉山をはじめとする自然やマタギなどの文化を生かした体験型の観光メニューを開発して「稼ぐ組織と地域」を目指します。


北秋田市観光物産協会 橋伸幸会長代行
「地域の活性化を担う組織となるために、これまでの任意団体を解散し法人格を持つ一般社団法人北秋田まちづくり観光協会へと生まれ変わる決断をいたしました」

20日開かれた北秋田市の観光物産協会の解散総会。

その資産を引き継いで新たに「北秋田まちづくり観光協会」が立ち上げられました。

北秋田まちづくり観光協会 佐々木宗純事務局長
「令和7年度中に旅行業を取得し、着地型商品の実証的な販売を行います」
「新しい組織では、観光資源を活用した体験型の商品開発や情報発信の拡充、地域の課題解決や若い世代が参加できる仕組みづくりなど持続的に地域が盛り上がっていくように取り組み、全国や世界に向けて北秋田の魅力を広げていきたいと考えています」

新たな観光協会のキーマンとなるのが、事務局長に就任した佐々木宗純さん32歳と松橋翔さん28歳です。

このうち阿仁で生まれ育った松橋さんは、マタギの頭領、シカリの家系の16代目です。

松橋翔さん
「1時間半みっちり、お肉と向き合っていただいて解体を体験して食べれる状態にするっていうのを自分たちでやるっていう体験になります。」

岩手で3年間に及ぶ狩猟とジビエの修行を終え先月、地元の北秋田市に戻った松橋さん。

地域おこし協力隊の一員として観光メニューの開発とツアーガイドを担います。

松橋翔さん
「まず私が持ってる武器としてはジビエとか解体とか、そういうスキルだと思っていて、その部分ってマタギ文化もそうなんですけど縄文文化とかそういう昔からあるものっていうのは北秋田はすごく豊かだと思っていて」
「そういうところと連携しながらやっていく方が、よりなんか説得力があるというか、言葉に重みがあるような体験になるかなと思うので、そういうところと連携して頑張っていきたいです」

北秋田市 津谷永光市長
「観光やさまざまな事業をやることによってそれから物事を作り出す、それを売ることによって稼いでもらうと」
「マタギだけではなくて北田市の自然や文化や観光の素晴らしさといったもの風土・人そういうのを売り込んでいただいて北秋田市にたくさんの方が来ていただいてここで消費をしていただければ地域の方々のためになる」

地域の「稼ぐ力」を引き出す司令塔としての役割も担う北秋田市のまちづくり観光協会。

将来的に観光振興と地域経済の活性化を図る組織DMO、観光地域づくり法人の登録も目指していて設立と同時に初年度の事業計画案が満場一致で承認されました。

(05/21 17:52 秋田放送)

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