■【戦後80年】出征幟や特攻隊員の遺書…戦争に関する貴重な資料を展示 「平和を願う心」がテーマの展示会で平和について考える(秋田県)
終戦から80年となる今年、日本テレビ系列各局では、「いまを、戦前にさせない」をテーマに、様々な特集をお伝えしています。
20日は、由利本荘市の郷土資料館で開かれている、戦争に関係する資料をそろえた企画展の特集です。
写真や手紙、それに戦没者の遺品などを通して、戦争の教訓や、今ある平和について考えます。
由利本荘市石脇にある、本荘郷土資料館。
戦後80年の節目の年。
「平和を願う心」と題して、戦争に関係する品々をそろえた企画展が開かれています。
展示室の入り口近くに掲げられているのは、戦地に行く兵士を見送る際に使われた幟旗・出征幟です。
兵士の家族や友人が、駅などでこの旗を振りました。
佐々木克也さん
「(兵士を)送るじゃないですか。その後、彼らが、兵士が持っているわけじゃないので、送っていった家族が持って行って、それを遺品として残していたもの」
「珍しいものだと思います」
戦地で戦う兵士だけでなく、一般国民の生活にも大きな影響を与えた、戦争。
物資不足で寺の鐘などの金属が強制的に回収されただけでなく、軍資金を調達するため、戦時国債を購入することが奨励されました。
佐々木克也さん
「これは国の借金ですよね。負けてこのお金が返ってくるかっていう話になれば、この国債はただの紙切れになるんですよね。だからあんまり残ってないですよ」
「本荘町の中でも、呉服屋さんとか、木材屋さんとかすごい裕福な家庭が、どんどん貧困になっていく姿っていうのを、80(歳台)後半の人たちは目の当たりにしているわけで、その話をよく聞くんですけど」
展示品の中には、由利本荘市出身の特攻隊員が家族に宛てた遺書・遺品も展示されています。
佐々木克也さん
「1歳の子どもを残して戦地で散る。奥さんも21か22歳だったので、とんでもなく切ない状態で(戦地に)行ったと思いますけどね」
郷土資料館の資料調査員で、今回の展示を担当した佐々木克也さんは、遺品を通じて、戦争の教訓や、今ある平和を見つめ直してほしいと考えています。
佐々木克也さん
「人間がファシズム(独裁的な権力・反対勢力への弾圧)に洗脳されていって、国民全体がそっちに進んでいったときの恐ろしさみたいなのが、証明だと思っているんですよ」
「絶対的なものに、誰もが従うような社会ではダメだということを、こういう遺品を見て、再度、確認してもらいたいなと思うんですね」
遺族から寄贈された遺品を中心に、約150点が展示されている本荘郷土資料館の企画展は、8月24日まで開かれています。
秋田放送は「いまを、戦前にさせない」をテーマに、今後も様々な特集をお伝えしていきます。
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(05/20 17:50 秋田放送)
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