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【特集】八幡平市のICT医療Aオンライン診療支えるデジタル技術(岩手県)



八幡平市のオンライン診療についてシリーズでお伝えしています。2回目はオンライン診療を支えるデジタル技術を紹介します。

八幡平市の医療を支えている望月泉統括院長。広い地域を少ない医師でカバーするためのオンライン診療に力を注いでいます。 八幡平市は最先端のICT、情報通信技術によって医療や福祉などの地域課題克服を目指しています。望月統括院長はこの活動の中心を担っています。

望月統括院長
「看護師が患者さんのもとに行って、血圧とか体温計をこういった生体情報を測定してその場でアイパッドというのでオンライン診療ができるような形にする。おそらく在宅医療に関しても訪問看護ステーション看護師が在宅(患者の家)に行って診療所と結んで診察をしてということが今後メインになってくると思います。心拍とか脈拍とか呼吸数とか歩行数とか睡眠時間そういった情報を瞬時に流すサーバーに取り込む、それを通信機器の中でグラフ化して見ることが瞬時にできるようになってきたので、そういった患者さんの情報として捉えておけば診療の質も上がってくる」

八幡平市田山に住む山本幸子さんは、夫と二人暮らしです。ゴールデンフィールド社が管理するHACHIというソフトを入れたスマートウオッチをいつも身に着けています。HACHIは具合が悪くなった時、5秒間長押しするとゴールデンフィールド社にSOS信号が行って対応してくれます。

山本幸子さん
「安心ですよね、おかげさまで安心、家族全員安心していると思うんですよ私と旦那さんだけじゃなく」

ゴールデンフィールド社では、ハチの機能を進化させて熱中症予防にも役立てています。

ゴールデンフィールド 金野利哉代表取締役
「熱中症指数になります1から5段階まであって位置情報からその場所の熱中症指数が上がって行けば上がっていくほど休憩してくださいとか、熱中症指数が4になったので外での活動に留意してくださいなど通知を出すアプリです。長い時間高心拍が続いていると。熱中症の可能性があると判断してアプリ上に通知して現場で作業している方に休憩を促して熱中症を予防する機能を搭載しています」

また八幡平市では去年11月、処方した薬をドローンで運ぶ実証実験をしました。この日は田山診療所に隣接する国道282号線やJR花輪線の上空をドローンで飛び越えようというレベル3.5という新たな国の基準に沿ったもので、東北では初めての試みでした。

薬を積んだドローンは、診療所のすぐ近くから飛び立っておよそ4キロ離れた患者の家に向かいました。ドローンが飛んでいる様子は、担当者がモニターで監視しています。

これまでドローンで物を運ぶためには、地上で監視する補助者が必要でしたが、新たな制度によってドローンに積んでいるカメラが安全を確認することで補助者は不要となりました。

ドローンはおよそ10分で患者さんの家のすぐ近くの田んぼに着陸し、看護師さんらが薬を届けました。

ドローンピーク 石川 啓 代表
「全国どこでも高齢化が進んでいるが、この先も安心して暮らせる街づくりドローンの配送 遠隔診療も遠隔で薬が届けられるということで、安心感が高まっていくそういう地域になっていただければと考えています」

八幡平市商工観光課 中軽米真人 課長補佐
「医療へのアクセスを人が減っても持続可能社会を作りたいというところを基本に置いておりまして、そのための施策の一環ということでこのデジタルの力を使って遠隔診療をやりつつ、さらにそれを医薬品の配送というところまで病院に来ていただかなくてもご自宅にいながら医療にアクセスできるという形を作りたいということで始まった」

またゴールデンフィールド社では、救急車などで移動中も血圧などの生体情報を取ってAIによる診断の可能性を追及しています。

金野利哉 代表取締役
「これで取得した血圧それに心電図を計れば、ここに表示されるアプリです『AIに聞く』というボタンがあります。突然の胸痛を訴えたことから心筋梗塞や狭心症が疑われるこの機能は、私がジャイカ海外協力隊でフィリピンの救急車に乗っているときに感じていた、課題解決のアプリ知識が乏しい救急隊員若手の救急隊員が熟練の救急隊員と同レベルの活動をするための補助アプリです」

最新のデジタル技術を使って、深刻な過疎地域の課題を克服しようとする八幡平市。その取り組みは全国の同じような課題を抱える地域のパイオニアとなることが期待されています。

(05/20 18:40 テレビ岩手)

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