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いわてことしC政治・経済・暮らし(岩手県)



この1年の重大ニュースを振り返る「いわてことし」、4回目のきょうは、「政治・経済・暮らし」です。多くの食材の値上がりが続く中、わたしたちの生活に一際、大きな影響を与えているのが、「コメ」の価格高騰です。

スーパーの前に出来た長蛇の列。朝早くから並んでまでも手に入れたいものでした。

一番乗りの人
「古古米でもそん色ないと小泉大臣が言っていたので」

三浦裕紀記者
「こちらが2139円で販売される備蓄米です」

家計の“救世主”とも言われた「備蓄米」。

中にはお辞儀をして受け取る人も…

三浦裕紀記者
「今、300袋のコメがなくなりました。開店から30分も経っていません」

全国のスーパーのコメの平均価格は、3月に入ると4000円を超えました。

「備蓄米」放出の効果もあり、一時下がりましたが、9月に入ると再び4000円を超え、高止まりの状態です。

県民
「高い、高い、本当に高い」

県民
「そばとかうどんとかを交互に食べて…」

つらいのは売る側も一緒。

コメの自販機には「価格が高いこと」を詫びる文書が貼られていました。

吉田米穀店 吉田桂一社長
「普通はここ全部の棚に入れて、ほしいだけ買ってもらうが(仕入れができず)それができない状況」

酒蔵も悲鳴を上げていました。日本酒は大量のコメを使って仕込みます。

喜久盛酒造 藤村卓也社長
「米に関してはね、1円でも安く仕入れたいのが正直なところなんだが、何かしら国なり行政の補助がないと酒蔵としては厳しい」

原料の確保が厳しくなったのはコメだけではありません。

達増知事
「サヴァ缶の成功は永久に不滅です」

累計で1200万個以上を売り上げ、全国的に大ヒットしたサバの缶詰、「サヴァ缶」。

東日本大震災の復興を応援しようと開発されましたが…

原周太記者
「もう間もなく販売終了となる」

サバの水揚げ量が減少し、3月に生産をストップ。釜石の工場は操業を休止しました。

地方の経済は冷え込んだままです。

県内3番目の規模だったタクシー会社が破産を申請。

コロナ禍で売り上げが落ち込み、終息した後も収益が改善しませんでした。

印鑑を販売していた老舗の会社も破産を申請。需要が低下し、客が減りました。

別れを惜しんで駆け付けた大勢の人に見守られながら最後を迎えた店も…

川徳 斎藤英樹社長
「36年、ご愛顧いただきまして誠にありがとうございました」

集まった人
「ありがとー!」

1989年に郊外型のショッピングセンターとしてオープンした「アネックスカワトク」。

常連客
「いつもこのお姉さま(従業員)たちと楽しくお話をして買い物をして」

常連客
「小学生のころから毎週のように通っていたので、(最後の日に)来なくちゃいけないなと思って来た」

オープン当時と比べると客は半分程度まで落ち込んでいました。

それでも、お客さんたちが残したおよそ2000枚ものメッセージは愛された証拠です。

参議院選挙があったことし。

岩手選挙区は、立憲民主党の現職・横沢高徳氏が6年前戦った自民党候補などを大差で破り、再選を果たしました。

横沢高徳氏
「前回は日付が変わるぐらいの当選確実の報だったので、県民のみなさんの多くの期待の表れだと思うので非常にうれしく思うし、身の引き締まる思い」

衆議院岩手2区選出の鈴木俊一氏は、党の運営の要を担う自民党の幹事長に就任。

鈴木俊一氏
「これからも自民党を支えてもらっている地方組織、十分に協力をもらえるように目配りをしながら、対応を進めていきたい」

これからに弾みがつくニュースも。

コロナ禍に運行を休止していた花巻と中国・上海を結ぶ国際便が期間限定で再開。

近年、不漁が続いていたサンマは、今シーズン7年ぶりに水揚げが1万トンを超えました。

黒潮の大蛇行が終息したことが影響したとみられます。

大船渡水産物商業協同組合 新沼哲理事長
「送った相手が大きくておいしかったということで「もう一回送ってくれ」ということで、つながってんじゃないですかね」

稲作にも新たな光が差しました。

岩手県第三のオリジナルブランド米「白銀のひかり」がデビュー。

県北地域でも栽培できる寒さに強い品種です。

生産者
「挑戦しやすい品種が出てきたことはとてもうれしい」

成田大輔記者
「花巻市の豊沢ダムです。雨の降らない日が続き、ダムにはほとんど水が残っていません」

夏の少ない雨で農業用水を送る県内各地のダムが水不足に。

コメの出来が心配されましたが…

「量」、「質」ともに良い出来で関係者は胸をなでおろしました。

しかし、新米が出ても価格は高いままです。

正月の定番の餅や団子を販売する店も困り果てています。

梅月堂店主 菅野孝行さん
「(もち米の仕入れ価格が)去年産の倍の価格になるという話を聞いているので、正直怖くて原価計算もしたくない」

団子は1本10円ほど、さらに餅は、値上げ幅を抑えるため去年産のもち米を使っていますが、一升で400円値上げしました。

梅月堂店主 菅野孝行さん
「ことし産のもち米を使うとしたら900円〜1000円ぐらい上がってしまう、一升あたり。お客様に負担かけるのは申し訳ないが、来年は確実にさらに値上げせざるを得ない現状」

生活に直結するコメの価格の高騰。

依然として明るい見通しが立たないまま年を越そうとしています。

(12/16 18:40 テレビ岩手)

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