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震災と山林火災 二重被災の水産会社が新たな挑戦 新商品はアクセサリー(岩手県)



東日本大震災と山林火災で二重被災した岩手県大船渡市の水産会社が、新たな挑戦を始めました。水産会社にも関わらず、新商品はなんとアクセサリー。逆境の中、奮闘する姿を取材しました。

5月9日。「おはようございます」

東京・銀座のイベント会場を訪れたのは、大船渡市綾里地区でアワビを養殖している北日本水産の古川翔太さんです。並べていたのは、山林火災で被災したアワビの殻のアクセサリー。この日、初めて販売します。

「宝飾系を展示するは初めてなので」

売れるのか見当もつきませんが。

古川翔太さん(29)
「目標は完売を目指して頑張っていきたい」

津波で養殖施設が全壊した北日本水産。山林火災では停電で250万個のアワビがほぼ全滅。今回だけで被害額は5億円にのぼり、再び出荷するには最低3年かかるという厳しい状況の中で、できることをやろうと開発したのがアクセサリーです。

東京にある岩手県のアンテナショップ「いわて銀河プラザ」で、5月9日と10日に開かれた山林火災からの復興を応援するイベント。水産加工品などが販売され、たくさんの人でにぎわいました。

「被災して死んでしまったアワビの貝殻を使ったアクセサリーです」

開店してまもなく、アクセサリーを見に来た女性がいました。すると気に入って、そのまま買ってくれました。

女性客
「もともとホームページで知っていたが、実際見て、かわいいなと思って」

インターネットで知って、妻のために訪れたというこちらの男性は・・・

男性客
「これ目当てで来た」「復興と、死んだアワビが入っているところにひかれて来た。実際見てみたら良かったので買いました」

1つ1万円前後と高額ですが…

「ビューティフル」

また売れました。

散策途中で立ち寄った外国人客
「復興を応援したい」

ギフト用にと、アワビの缶詰など大船渡の特産品80人分を買いたいという相談などもありました。

「きれい!」

食べるアワビの販売とはまた違うアピールができた2日間。売れたアクセサリーは16個。上々の売れ行きでした。

古川さん
「不安だったが、出て(売れて)くれると自信が出る。本当によかった」

2重被災、5億円の被害額。逆境から立ち上がろうと、地道な取り組みが続いています。

再起のための資金を集めようと5000万円を目標に行っているクラウドファンディングへの支援額は、現在、1000万円を超えたということです。

(05/15 19:11 テレビ岩手)

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