■ 政府に対し遺骨のDNA鑑定を一刻も早く行うことなど求める 旧長生炭鉱で遺骨収集続ける市民団体(山口県)
宇部市の旧長生炭鉱で8月、人骨を相次いで発見した市民団体が政府に対し遺骨のDNA鑑定を一刻も早く行うことなどを求めました。
政府関係者からは「警察庁と外務省、それに韓国政府が連携し、できるだけ早くDNA鑑定する」と一歩踏み込む回答がありました。
旧長生炭鉱で遺骨の回収を行っている市民団体=「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の井上洋子共同代表らが東京を訪れました。
(井上洋子共同代表)
「遺骨に巡り合えた外に出すことができた。みなさんと交渉するステージが変わったことを理解していただきたい」
井上共同代表は厚生労働省、外務省、それに警察庁の担当者に要請書を手渡しました。
旧長生炭鉱は1942年の落盤事故で水没し、183人が犠牲となりました。
「刻む会」は先月の潜水調査で3本の人骨とヒトの頭蓋骨を発見・回収し、山口県警に引き渡しています。
高齢化が進む遺族に遺骨を一刻も早く返還するため刻む会は担当者に対し、遺骨のDNA鑑定や遺族のDNA情報の収集など返還プロセスを明らかにすることなどを求めました。
会によると遺族のDNAデータは刻む会の管理分と韓国政府の分をあわせておよそ80人分あるということです。
警察庁の担当者は「遺骨からDNA鑑定できるか確認が必要。親族のDNAでは特定の可能性レベルにしかならない」と回答しつつ「外務省、韓国政府とも連携しできるだけ早く鑑定したい」と述べました。
外務省の担当者も「政権が代わっても進める方針」と一歩踏み込む発言をしました。
(井上共同代表)
「(外務省は)相当親密に韓国の行政安全部との話し合いは詰めているという予測ができる。DNA鑑定については今後進んでいくのではないか」「約80人の遺族のDNAを提供できれば、約2人に1人は身元が判明する」
刻む会では2026年2月、海外ダイバーを招いて大がかりな潜水調査を行う予定です。
(09/09 19:24 山口放送)
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