■「高齢化で跡継ぎもおらず」66年続けた石油販売 地元企業へ事業承継(熊本県)
山鹿市で長年、地域の人に親しまれてきたガソリンスタンド。しかし経営者が高齢化、跡継ぎもおらず困っていました。そこである動きがありました。
山鹿市鹿央町の県道沿いにあるガソリンスタンド「松永石油店」。1959年の創業以来、2代にわたって地域に親しまれてきました。灯油や軽油の配達も行っていて、地元の人にとってなくてはならない存在です。しかし、経営者の松永浩文さんは65歳に。二人三脚で守り続けてきた妻の香世子さんは体が思うように動かせなくなりました。
■松永石油店・松永浩文さん
「私も65歳になって体力的にも今まで通りはおそらく今後できないだろうという思いもあって、経営を継いでいただく方はいないかという思いで探していたんですけど」
後継者を探していた松永さん。66年間続けてきた石油販売事業を地元の企業に託すことを決めました。
15日に行われた事業譲渡の調印式。事業を受け継ぐのは山鹿市で運送業を展開するShiro Planningの城大輔さんです。会社の車の供給場所を探していた城さんは、幼少期からの知り合いの松永さんが事業の継続に悩んでいることを聞きました。
■Shiro Planning・城大輔社長
「うちが運営者としてやっていけたら、うちの従業員のため、地域のためになるんじゃないかなと思って提案した」
松永さんも城さんの提案に、賛同したといいます。
■松永浩文さん
「特にその家族でなくても身内でなくてもいいという思いはありました。ここにガソリンスタンドを残してですね、地域のためにお役に立てるなら」
松永さんと城さんを結び付けたのは、後継者がいない会社の事業を続けるため経済産業省が展開する「事業承継・引き継ぎ支援センター」です。県の商工会連合会が間に入り、譲渡価格の評価手続きや、譲渡条件の交渉などを行いました。約7か月に及ぶ話し合いの結果、来年1月1日付けで事業継承の契約が締結しました。
■Shiro Planning・城大輔社長
「地域の住民の方に寄り添った営業をしていたので、その辺は引き継ぎながら、今まで以上に地域の方のお力になれるような事業を展開したい」
■松永浩文さん
「両親の苦労も知ってますし、私たちの代になってもきつく、 大変なつらい時代がありました。けれども一つ一つ乗り越えてきてですね、とてもいい経験ができたと思います」
松永さんは来年1月からガソリンスタンドの社員として働き続けるということです。
(12/15 18:49 熊本県民テレビ)
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