NNNニュース

【潜入取材】完成直前!開通すれば30分の時間短縮 熊本西環状道路工事の最前線(熊本県)



シリーズ「抜け出せ!渋滞都市」、今回は熊本市内の渋滞緩和のためにつくられた熊本西環状道路の最前線です。

熊本西環状道路は、渋滞が起きやすい熊本市中心部を通る国道3号などよりも西側につくられた総延長約12キロの無料で走行できる自動車専用道路です。現在、熊本市北区の下硯川インターと西区の花園インター間の約4キロが供用されています。

さらに今年の秋頃、花園インターから池上熊本駅インターまで開通し、合わせて約8.6キロが利用できるようになります。完成直前の道路の工事現場に潜入しました。


2017年から供用が始まった熊本西環状道路。この秋、西区花園から熊本駅の近くまでの約4.6キロが開通します。今回、案内してくれたのは道路の建設に9年携わってきた道路整備課の木嶋政智さんです。ずばり、今回の開通の効果は?

■熊本市道路整備課 木嶋政智さん
「(開通している区間と合わせて)約8キロぐらいが自動車専用道路としてつながりますので、そちらの区間を利用しますと約30分ぐらいの時間短縮につながります」


新たな区間の開通で、熊本市北区四方寄町の北部中学校付近から熊本駅まで15分ほどで到着できる見込みに。中心市街地を通る国道3号を使う時と比べ、約30分短縮できる想定です。

今しか見られない工事現場へいざ、潜入!まずは2か所のトンネルです。
■永島由菜キャスター
「トンネルのど真ん中に立たせてもらうのは貴重な経験ですね」
■熊本市道路整備課 木嶋政智さん
「ありえない経験だと思います」

2本合わせて約2.5キロあるトンネルは新たに開通する道路の半分以上を占めていて、工事費は70億円以上です。


■熊本市道路整備課 木嶋政智さん
「トンネル1本掘るのに大体2年以上かかっていますので、2本合わせて4、5年ぐらいかかっています。今は照明がついてるから非常に見やすいんですけど、照明がないと真っ暗なので、まず照明の確保にすごく手間取りました。あと粉塵がものすごくて、その中で作業をして家に帰って鼻をかむと、もう真っ黒になっているぐらい」

電気や非常電話、配線の工事を終え、あとは白線を引く作業などを残すのみです。


次に潜入したのは、工事が続く池上熊本駅インター付近です。新たな道路は、元々山だった場所を大きく切り開く形でつくられました。花園インターと池上熊本駅インター間の工事は99%完了していて、残りはあとわずかです。
■永島由菜キャスター
「最終段階に入っているんですね」

この日は、側面のコンクリートを吹き付ける作業などが行われていました。さらに、現場では驚く話も。
■永島由菜キャスター
「大きな石がありますね」

この石、実は…。


■熊本市道路整備課 木嶋政智さん
「このくらいの大きさの石になりますと、熊本城の石垣の復旧工事の方に再利用したこともあります」

工事で出た石は、熊本城の天守閣のほか、飯田丸五階櫓の石垣の一部に使われています。本来、処分するしかない石が、熊本のシンボルに活用されていました。



将来は熊本港の入り口まで全長12キロが開通する熊本西環状道路。
■熊本市道路整備課 木嶋政智さん
「最初から思っていたのは、やはり皆さんに喜んでもらいたいということです。道路を使うことで渋滞も回避できるし、その分あいた時間をいろんなことに使えるので、人生が豊かになる感じで使ってもらえたらなと思います」

さらなる渋滞の緩和に向けて、工事は進められています。

【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
開通することで30分の時間短縮は大きいですよね。

(永島由菜キャスター)
さらに西環状道路は今後、熊本と大分を結ぶ中九州横断道路や九州自動車道ともつながる予定です。福岡や大分など他県へのアクセスも便利になります。中九州横断道路と西環状道路の砂原までの工事が完了すれば、物流の拠点となる港からTSMCなど半導体関連企業集まる地域まで60分短縮できるということです。

(05/22 19:17 熊本県民テレビ)

TOP

Copyright(C)NNN(Nippon News Network)