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「障がい者でも子育てができる」重い障がい抱え子育てに取り組む夫婦が伝えたい思い(熊本県)



様々な壁を乗り越えて子育てをしている重い障がいのある夫婦の「障がい者でも子育てができることを伝えたい」という思いを取材しました。


仲睦まじく歩く宮本真太朗さんと加代子さんご夫婦です。
2人は、家の近くの同じ職場で弁当作りや売り上げ管理の仕事をしています。真太朗さんは、4歳の頃に遭った事故の影響で脳の障がい、体のまひがあり、右手など体の一部が動かないほか、記憶が飛ぶこともあります。


(記者)Q.左手のタイピングは練習したのですか?
■真太朗さん「徐々に。弁当の注文してくれた個数を入力している」

加代子さんは、生まれつきまひや知的障がいがあり、体が思うように動かないことから車いすで生活しています。
■加代子さん
「ここに入ったのが19歳(14年目)なので結構やっています。慣れました。」

仕事を終えて帰宅した2人。少し後にもう1人の家族が学校から帰ってきました。一人娘で小学1年生の涼香さん(6)です。

(記者)Q.お父さんとお母さんは優しい?
■涼香さん「まあね」

■加代子さん
「私たちは身体にハンディを持ってるから、あなたたちじゃ無理でしょみたいな、難しいでしょみたいな感じに見られちゃって」

病院や児童相談所の判断で涼香さんは乳児院などに預けられることになりました。
■加代子さん
「がむしゃらに家族3人で暮らしたいという気持ちが強くて」

涼香さんと一緒に住みたいと2人は児童相談所の指導の下、涼香さんをお風呂に入れる練習を行うなど自分たちで子育てができる環境を整えてきました。

■真太朗さん
「(乳児院の涼香さんに向けて) DVDを作っていました、DVDレターみたいな。それで、そのお父さんお母さんを覚えてもらう。そこからスタートでした」


涼香さんが生まれて4年が経とうとしていたころ、2人のもとに涼香さんが帰ってきました。今は、ボランティアなどの支援も受けながら、2人で分担して涼香さんの育児をしています。

■加代子さん
「(一緒に住めるように手伝ってくれた人に)最後まで応援をしてくれてありがとうございますっていうことを伝えたい」


■真太郎さん
「お風呂入った時に、間の時間で遊んだりとか、今日何したのかとか(聞く)。最近嘘をつくことを覚えたけん、ちょっといかんかなと思うところもあるけど、まあしょうがないかな」

一緒に暮らせるようになって、感謝と喜びをかみしめている3人。自分たちのように、「重い障がいがあっても子育てができる」ということを他の人に伝える活動も行っています。
■加代子さん
「子どもを産んだからといって不安にならなくてもいいんだよ。声をあげたらサポートしてくれる方がたくさんいるんだよ」

真太朗さんと加代子さんは、障がい者やその家族に「障がい者が意思を示しやすい世の中になってほしい」と訴えました。
そんなお2人に聞いてみました「あなたの夢は何ですか?」

■真太朗さん
「何も考えずに旅行行けたらな。 まずは福岡から」

■加代子さん
「これからもいろんな壁に当たるとは思うんですけど、そんないろんな壁があってもいろいろ乗り越えられるような家族になれたらいいなとは思ってます」

家族でこれから叶えたい夢をたくさん語ってくれた真太朗さんと加代子さん。困難を乗り越え、幸せをつかみ取ろうと、また新たな1歩を踏み出そうとしています。

(08/28 23:27 熊本県民テレビ)

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