■「被害総額3000万円」大雨被災の呉服店 手作りの看板で営業再開(熊本県)
8月の記録的大雨で大きな被害を受けた玉名市の呉服店が、仮店舗での営業を再開しました。初日には心待ちにしていたお客さんも。店の営業再開までを密着しました。
「とうとう店の中まで浸水してます」
8月10日の夜。玉名市にある創業334年の呉服店・阿波屋は店舗が浸水し畳が浮き上がった状態に…。
■阿波屋・福冨雅仁社長
「着物もぐしゃぐしゃにぬれてしまって色が染みたので、もう使い道がないかな」
阿波屋の福冨雅仁さん。
被災した翌日から親族などと一緒に店舗の片付けを続けてきました。着物など商品200点以上が被害を受け、被害総額は3000万円にのぼります。
福冨さんがこの日向かったのは、元の店から歩いて5分ほどの場所です。親戚が持っていた空き家を間借りし、営業再開を目指すことにしました。
■阿波屋・福冨雅仁社長
「地域のいろいろな所が被災しているのでうちなんかもよりもひどいところもあるけど、みなさん復旧に向けて頑張ってらっしゃるのでうちも負けてられない」
仮店舗の看板は、手作りです。長年引き継がれてきた顧客や問屋との取引の資料も、水に濡れてしまいました。
■福冨雅仁社長
「昔うちのイベントでずっと作ってたチラシのファイルですこの辺も全部濡れちゃったんで、昔の記憶はできればちゃんと参考にしたいので乾かして見れるようにしたいと思います」
「これは成人式の時の昔のお客さんですねその年のチラシの中に入れさせていただいてたんで」
客の人生の思い出の1ページを長年、彩ってきた阿波屋。
9月6日、仮店舗での営業を始めました。さっそく親子が来店。来年の成人式で着る振袖を探しに来たそうです。スタッフに相談したり実際に振袖を手に取ったりして好みのものを探すことができるのが店舗の魅力です。試着を重ね、お気に入りの1着を見つけました。
■お客さん(娘)
「心強いなと思います。小物とかもたくさんあるし似合いそうなものをしっかり選んで候補にしてくださるのでいいなと思います」
■お客さん(母)
「予行練習じゃないですけど見れるならたくさん見れた方がいいので今日来て着させていただいてとても良かったなと思います」
こちらは被災前のことし7月下旬にオーダースーツを注文した男性。これまでも阿波屋で仕立てきた常連さんです。
■男性
「既製品だとどうしても型に合わせると袖が短くなったりとかあるんですよね」
Qきょうは試着して出来は?
「ばっちりです」
■男性
「しばらくは大変でしょうけど、 少しでも応援できればと思ってます」
■福冨雅仁社長
「仮店舗というショールームみたいな感じですかねそういったのがオープンできることによってお客さんの時間に合わせた商品がご提供できるのはありがたいなと思います。地元でずっと長くやってるからこそ信頼していただいていると思いますし、その信頼を裏切らないように、応援を力にしながらですねこれからも頑張っていきたいなと思っています」
【スタジオ】
記録的大雨の前に注文があったオーダー品は、浸水する前に2階に運んだためすべて無事だったということです。
仮店舗は午前10時から午後6時半まで営業していて、電話予約が必要です。(木曜定休・要電話予約 0968-73-5298)
従来の店舗については、10月20日をメドに改修が終わる見込みだということです。
(09/10 19:35 熊本県民テレビ)
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