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「心ある場所に心集まる」復旧支える"災害ボランティア"緒方キャスターも参加(熊本県)



「記録的大雨から1か月」。今回は災害ボランティアの存在に注目します。

人手が足りない所で、復旧を支えるボランティア、この1か月は夏休み中の学生も地元のために汗を流しました。今回、緒方太郎キャスターもボランティアに参加し、復旧現場の最前線と温かな交流に触れました。

「暑いです〜」


被災した地域の復旧へ。災害ボランティアが伴走し続けています。
9月5日、緒方太郎キャスターが向かったのは上天草市にある災害ボランティアセンター。早速受付を済ませ、事故に備えた保険に入りました。



社会福祉協議会のスタッフから注意点などを聞いたあと、依頼内容に応じてグループに分かれます。

■熊本市から来た宮成 央さん
「きょうも1日頑張るぞ」
「いいともー!」

資材を積みながら、同じグループのみなさんに話を聞いてみると…。

■ボランティア
Qきょうはどちらから?
「福岡県のみやま市からですね。必要とされるから行かずにおれないといいますか、特殊な技能がいるわけでもないですからね」

■地元のボランティア
「できることがあるなら手伝えるかなと思って」

600棟以上が浸水被害を受けた上天草市。これまでに230件以上の依頼が寄せられ、あと20件ほどの活動が完了していません。向かったのは、上天草市松島町にある夫婦二人で暮らすお宅です。母屋を見せてもらうと…。



■上天草市松島町・山本健治さん(71)
Q当時、雨水ってどこまできました?
「ラインが入っていると思うけど、ガラスのこのくらいまでかな、胸くらいまで(来た)」

床上浸水の被害を受け生活できない状態に。今は、上天草市内にある妻の実家から、復旧作業に通っています。

■上天草市松島町・山本健治さん
「まだ(復旧の進み具合は)半分までいっていないね。床張るまで落ち着かないかな。(今後)どうしようまでは頭が回らないね。この1か月はね。今をどう生きるか、そんな感じです。こうして皆さんに助けてもらっているのでありがたいです」

依頼の内容は、敷地にある側溝にたまった泥の撤去。住宅の作業が一段落した今、こうした依頼が多いそうです。この日の最高気温は33℃。暑さとの闘いでもあります。



■緒方太郎キャスター
Q土が重い?
「重いです、想像の倍以上重いです。粘土質の土ですよね、泥って言った方が。僕の体力がないのもあるんですけど10〜15分作業したら汗だくになる」

活動では、泥を袋に入れる上でポイントがあります。依頼者が土を捨てる際に運びやすくするよう、満杯ではなく、あえて半分の量を入れます。被災した人の状況を想像する心配りが細かいところにありました。

大雨で発生した災害廃棄物を、市内にある仮置き場へ運搬する依頼もあります。

■緒方太郎キャスター
「こちらの災害廃棄物の仮置き場で細かく分別されています。見てみると生活の跡がわかります。マットレスなどの布団、浸水した家電もずらっと並んでいます」

被害の大きさをまざまざと物語る災害廃棄物。上天草市内の仮置き場は9月15日に役目を終えます。再び、山本さん宅の側溝にある泥のかき出しへ。

グループのリーダーを務めた宮成央さんに、自らをボランティアに突き動かす原動力を聞きました。



■宮成 央さん(熊本市から)
「地元の人や、被災したお家の方、一緒に活動しているボランティアの仲間、そういう人との出会いが、また行きたいなという気持ちになる。活動自体は小さくなっていくと思うんですけど、水害は復旧までに手間と時間がかかるので。地元の人が地元を支える取り組みが大事になってくるんで、地元のために動き出してほしいなと思います」

記録的大雨からまもなく1か月。ボランティア一人ひとりの活動と思いが、被災地の復旧を芯から支えています。



【スタジオ】
(緒方太郎キャスター)
ボランティアの方がとても印象深い話をしていました。「心ある場所には心が集まる」という言葉です。単純に作業をするのではなく、「ありがとう」「また来るね」の人のつながりが、継続的な支援につながっていると感じました。



現在開設されているボランティアセンターです。

(永島由菜キャスター)
現在県内では9つの自治体に開設されています。県社会福祉協議会によると、八代市ではまだ本格的に活動できていない地区があり、センターの設置が長期化する見込みで、平日のボランティアも足りないということです。そして、太郎さんが取材した上天草市など一部の自治体では、一時受け入れを休止しているんですね?

(緒方太郎キャスター)
その休止には、大事なワケがあったんです。受け入れを休止しているワケは、ボランティアの手が必要な人を掘り起こすためなんです。社会福祉協議会のメンバーが、被災した地域を回り、どんなボランティアが必要か整理したうえで受け入れを再開します。

記録的大雨から1か月。助け合いの心で命と暮らしが支えられています。


(09/09 20:27 熊本県民テレビ)

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