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2020年09月

竜巻から身を守る 2020年9月22日(火)放送分

近年はスマートフォンなどで気軽に動画撮影できるようになり、ニュース映像で竜巻の映像を見る機会が多くなってきました。KRYでも竜巻発生のスクープ映像を紹介したこともあります。また、2006年11月1日には、山口市名田島でビニールハウスが倒壊する竜巻が発生するなど、過去の記録では県内でも竜巻の被害が発生しています。実は竜巻は、意外に身近で油断禁物な気象災害です。

竜巻は、発達した積乱雲の中で発生する激しい空気の渦で、寒冷前線や梅雨前線、台風などでの、積乱雲の発達により、ごくまれに発生する現象です。規模が非常に小さいため、なかなか事前の予測が難しいのが現状ですが、特に台風の暖かな空気によって発生しやすい傾向もあり、日本の竜巻の月別発生確認数は、9月から10月が多くなっています。積乱雲さえ発生すれば、季節は問わず、いつでも竜巻発生の可能性はあるのですが、特に台風シーズンは、竜巻のシーズンでもある、と心得ておく必要があります。

そんな竜巻に、具体的に、どんな備えを行っておく必要があるのか...近年の観測技術の発達に伴い、気象台は1時間以内に竜巻などの激しい突風の危険が迫る時に「竜巻注意情報」を発表しています。各自治体では、この情報が発表されると、即座にメールでお知らせするサービスがあります。また、気象庁のホームページでは、竜巻発生の可能性が高いエリアを示す地図情報も公開しています。気象台では、竜巻注意情報が発表されたら、頑丈な鉄筋コンクリートなどの構造物に移動するほか、家の中では窓やカーテンを閉め、窓から離れたり、窓のない部屋に移動するよう呼びかけています。また、竜巻注意情報が出なくても、雷が激しく鳴ったり、急に周りが暗くなるなど、発達した積乱雲が近づく兆しがある時は、早めに身の安全を確保する心がけが大切です。特に、雷が激しく鳴る時や、ゴーッという音が聞こえる、色々なゴミが飛んでいる時は竜巻が迫るサインですので、身の安全の確保をシッカリ行いましょう。

竜巻は局地的に突然発生する現象で、台風と違い、事前の予測はかなり難しく、竜巻注意情報の的中率自体、数パーセント程度とされます。正直、竜巻は神出鬼没なうえに発生すると被害をゼロにするのは困難ではありますが、建物などの被害を防ぐのは非常に困難でも、身を守るための対策は、ある程度出来ます。少しでも危険を回避するために、情報をキャッチできる体制と、いざという時の対策の方法をイメージしておくことが大切です。

雷から身を守る 2020年9月15日放送分

 いろんな天気の中でも、特に多くの人が恐怖を感じる現象の1つに「雷」があります。雷は発達する積乱雲により、雲の中にある氷の粒がこすれ合い発生した静電気が、一気に放電する現象です。

 静電気といえども、雷のパワーは私たちが下敷きをこすって発生させるものとは桁違いで、一度の稲光で1~10億ボルトの電圧があるとされます。雷のゴロゴロ...という雷鳴は、実は地面に落ちたときの衝撃音ではなく、電気が空気中を流れる時に一気に空気が暖められて膨張(局所的に2~3万℃に達すると言われています)することで発生する衝撃波です。それほどの非常に強烈なパワーがあるので、当然、人間が雷に打たれれば、1回で命取りになります。

 厳しい暑さとなる真夏は、強い日差しで一気に暖められた空気が強い上昇気流を起こし、急発達した積乱雲(入道雲)によって、雷が度々発生します。また、秋にかけても、台風の接近などで南からの湿った空気が流れ込んだ時や、寒冷前線が通過する時など、夏の空気と秋の空気が激しく衝突する場所で、急に雲が発達して雷を引き起こすことが度々あります。
 
突然の雷雨が迫る時には、雷の音や黒い雲が近づくほか、川の水が濁ってくるのも、川の上流部で激しい雨が降っているサイン。また、強い雨が降ると、上空の冷たい空気が地上に降りて涼しい風が吹くこともあるので、これも雷雨が近いサインと覚えておきましょう。

 一般に雷雲の大きさは数キロ~10キロ程度の規模があり、雷の音自体、聞こえる距離は通常で10~15キロ程度と言われています。つまり、雷鳴が聞こえたら、すでに次は自分の所に雷が落ちてきてもおかしくない、危険な状態といえます。

 雷は高い所ほど落ちやすく、身に着ける金属の有無などはほとんど関係ないことが、最近の研究で分かっています。建物や車の中などの安全な場所に逃げるのが一番ですが、建物などがない場所では、雷は高い所ほど落ちやすいので、高い木などから離れて姿勢を低くしましょう。また、平たい海でも、波頭などに雷が落ちることがありますので、海水浴などでも、雷の危険を感じたら、すぐ海から離れることが大切です。

 また、気象庁のホームページでは「雷ナウキャスト」という、雷雲の活動度の状況を、リアルタイムで更新しています。屋外作業の際は、雷鳴の状況と合わせて活用すると良いでしょう。

台風が温帯低気圧に変わる、とは? 2020年9月8日放送分

日本の南では、同心円状に渦巻いていた台風が、日本列島に進んでいくにつれ次第に形が崩れ、「温帯低気圧に変わりました」となることがあります。「台風が温帯低気圧に変わる」となると、安心情報と受け取られることが多いのですが、実は、そうではありません。

台風が生まれるのは、日本のはるか南、熱帯の海の上で、海からの熱や水蒸気による暖かく湿った空気が軽くなって上空に昇ることで、発生する雲がまとまってくる「熱帯低気圧」が最初の姿です。
そして、さらに雲をまとめて発達を続け、中心付近の風速が17.2メートル以上となると、「台風」へと名前が変わります。

しかし、南の海で生まれた台風が次第に北上していくと、やがて北からの冷たい空気とぶつかり、暖かい空気だけで作られていた雲が、暖かい空気と冷たい空気との
温度差によって上昇気流で雲が発達する形へと、仕組みが変化していきます。
台風は温帯低気圧に変わる、というのは、暖かい空気の塊である台風の中に北の冷たい空気が入り込んで形が変わることであり、温帯低気圧に変わると、台風の時にはなかった前線が空気のぶつかり合う場所で描かれるようにもなってきます。もっと簡単に言えば、台風が温帯低気圧に変わるのは、姿を変えて生まれ変わる、という感じでしょうか。

生まれ変わる、ということなので、弱まる、とは限らず、元台風の暖かい空気と冷たい空気が激しく衝突すれば、場合によって普通の低気圧以上に発達することもあります。

また、台風から温帯低気圧に生まれ変わると、風の吹き方にも大きな変化が現れます。台風は熱帯の暖かな海の上で積乱雲が集まることで発達し、中心に近い所ほど風が強い、という特徴があります。このため、台風の風の強い範囲は、暴風域や強風域、という円で表現されるのですが、温帯低気圧になると、南と北の温度差の違う空気が衝突することで発達するため、空気が衝突する広い範囲で風が強い特徴があります。必ずしも低気圧の中心付近ほど風が強い、とは限らず、台風の時のように円で風の強い範囲を表現しにくく、台風の時よりも風の強い範囲が広がることも多々あります。

台風が温帯低気圧に変わることは、危ない範囲が広がる、という特徴があることを踏まえて、どんな天気の解説が行われているか、しっかり天気予報の内容を確認するように心がけて頂きたいと思います。

台風の風の吹き方 2020年9月1日放送分

天気予報の台風情報では、台風の中心位置や進路予想とともに、台風の中心の周りには、赤や黄色のエリアが示されています。

台風は基本的に、中心に近いほど強い風が吹き荒れていますが、平均風速25メートル以上の範囲を「暴風域」として赤色の円、平均風速15メートル以上の範囲を「強風域」として黄色の円で示されています。なぜ15メートル、25メートルなのか、というと、古くは海上船舶が、強風域レベルの風では注意を要するが何とか航行可能、暴風域レベルの風だと航行不可能になっていた、ということから、この区切りの基準になったようです。

私たちの生活の中では、一般的に風速15メートル以上で大きな木が幹ごと揺れたり、風に向かって歩けず転倒事故が起こりやすくなる、とされます。そして25メートル以上だと、木が根こそぎ倒れたり、屋根瓦が飛散するなどの家屋への被害が出始めるほか、飛行機などの交通機関もほぼストップとなります。台風に備えるにあたっては、強風域や暴風域に入るかどうか、というところに着目することが、ポイントの1つです。

また、台風は大きさにより「大型」「超大型」という表現があります。この大きさは、風速15メートル以上の強風域の広さでランク付けされます。大きなサイズの台風ほど、台風の中心が離れていても警戒を心がける必要があります。

そして、台風は「強い台風」「非常に強い台風」もしくは「猛烈な台風」と呼ばれることもあります。これも違いは風の強さ。こちらは中心付近の平均風速でランク分けされ「強い台風」になると、台風の中心付近はトラック横転や道路標識が傾くこともある風、「猛烈な台風」では電柱が折れたり鉄塔が変形など、甚大な被害も心配なレベルの風が吹くおそれがあります。

よく、中心気圧が低いほど強い台風、と認識している方が多いのですが、確かに中心気圧が低いほど強い風は吹きやすくなるものの、気圧は同じでも台風の大きさで、いわゆる"密度"の違いにより風の強さが異なることがあります。

天気予報では、台風の特徴で、どんな解説が行われているのか、大きさ、強さに注目しながら、ご覧頂きたいと思います。