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日常に防災を。命を守るラヂオな時間 毎週火曜日 午後1:35頃~

2020年07月

災害が危険な雨とは? 2020年7月28日(火)放送分

 大雨の時には何ミリの雨が降った、何ミリの雨が降る予想、などと雨の情報をお伝えしますが、具体的に、何ミリの雨となる時に、皆さんは危機感を高めますか?

 県内は過去には歴史に残るような大雨災害が度々発生しています。その災害発生の引き金となった雨の強さを、観測された1時間降水量を見ると、2013年の山口島根豪雨は1時間140ミリ前後という桁外れの記録でしたが、2018年の西日本豪雨では1時間70~80ミリ台、2009年の防府豪雨災害や2010年の厚狭川氾濫では1時間70ミリ台の雨を観測しています。1時間70ミリというのが、歴史に名を刻む豪雨災害となり得る、と考え、かなりの危機感を持たなくてはなりません。ただ、ここまでの雨になる前から小規模な災害が発生する可能性は十分あります。一般に1時間30ミリ以上の雨で土砂災害が起こりやすくなり、1時間50ミリ以上の雨で土石流が起こりやすくなる目安とされています。数字で伝えられる雨の情報とともに、気象台から出される注意報や警報などの情報にも気を付けて、安全第一の行動を心がけましょう。

 また、大雨災害は、短時間の激しい雨とともに、雨が断続的に続いて地盤が緩むことでも発生します。その際には、数日間の雨の合計も注目が必要です。

 近年の大規模な大雨災害では、1日から3日間のうちで300ミリを超える雨が観測されています。300ミリの雨というのは、おおむね平年の7月ひと月ぶんに相当する雨でもあり、それが数日間という短期間のうちに一気に降ると、きわめて災害の危険が高い、といえます。実際には、この300ミリに達する前から、雨が積み重なるにつれて危険度は増してきます。県内の国道では、降り続く雨の量が150ミリから250ミリに達したところで、斜面崩落などの危険が高まることで交通規制を行う、という基準があります。
生活に影響が出るような災害が心配なレベルとしては、降り始めからの雨量が150ミリを超えるあたり、というのが、ひとつの目安です。

 天気予報で伝えられる雨量予想では、1時間の最大雨量とともに、24時間で降る雨量や、その後の翌々日にかけての雨量の見通しなども伝えられます。今後の雨次第で、どれくらい災害の危険が迫るのか、降り始めからの雨量と合わせて、危険度の把握に役立てていきましょう。

"50年に一度の大雨"とは? 2020年7月21日放送分

2020年7月13日(月)の夕方、萩市見島を活発な雨雲が次々に通過し、県設置の雨量計の観測では1時間に60ミリ超えの非常に激しい雨となった時間がありました。その後も激しい雨が数時間続いたこともあり、下関地方気象台は「萩市見島では50年に一度の記録的大雨になっている」と発表しました。

「50年に一度の大雨」は、全国的に見れば時々発生しており、ニュースなどで何度も耳にする、ということもあります。その意味で「毎年発生しているのに、なぜ"50年に一度"?」と思う方も多いことでしょう。

「50年に一度の大雨」とは一体何なのか...気象庁では過去の観測データから「50年に一度」となる雨の量を、日本列島全体を5キロ四方のマス目ごとに算出しています。
そして、この計算での値を超える雨が降った時に、「50年に一度の大雨」となります。50年に一度の大雨、というのは場所によって異なるため、違う場所で基準を超える雨が降れば、その場所で再び「50年に一度の大雨」という発表が行われます。
これが、毎年、度々「50年に一度」というフレーズを耳にするカラクリです。

では、なぜ「50年に一度」なのか?
「50年に一度の大雨」というフレーズが使われるようになったのは2013年、気象庁が特別警報の運用を始めた時からで、気象庁が特別警報の運用を行うために作られた発表基準のメッシュ情報が「50年に一度」の出現確率で作られたからなのです。50年に一度としたのは、日本での人間の平均寿命は70~80歳くらいですが、50年に一度となれば「一生に一度か二度、出会うかどうかの大ピンチ!」というメッセージが込められています。

萩市見島の50年に一度の大雨のケースは、メッシュ情報の1マスのみの狭いエリアでの大雨でしたが、50年に一度の大雨がより広範囲になり、広域的な大災害のおそれが非常に高まった時には、大雨特別警報が出されることになります。

萩市見島の50年に一度の大雨は、もし少し大雨の範囲がずれていれば、県内のより広範囲で50年に一度の大雨、そして特別警報級の大雨になっていたかもしれません。その意味で「50年に一度の大雨」をニュースで見聞きした時は、他人事ではなく、次は自分の所で一生に一度の命に関わるような大ピンチがあるかもしれない、という意識を持って、情報を受け止めてほしいと思います。

水害の種類と危険度地図情報 2020年7月14日(火)放送分

大雨による災害は大まかに言えば「土砂災害」「低地の浸水」「河川の洪水」の3種類あります。これらの災害が発生する危険性は、降った雨の量のほか、土砂災害では地盤の緩み、浸水では、地面に浸み込まず地表面にたまる水、洪水では河川に集まって流れる水の量が大きく関わり、大雨が降ってもどの危険度が高いのかは、その土地や防災インフラの整備状況などで大きく変わってきます。

そこで気象庁は、災害の危険度を細かい地図情報で表す取り組みを進めてきました。そのうち土砂災害については、雨の降り方の状況から計算して土砂災害危険度のレベルを地図メッシュ情報で表示する「土砂災害危険度マップ」を公開しています。

KRYテレビでもリモコンのdボタンで「土砂災害危険度情報」というメニューで、ご覧いただくことができます。

浸水、洪水についても同じような危険度分布情報を、気象庁のホームページで最新情報が確認できます。どの地域、どの川が、どの程度の危険度なのかが、地図に色分けで表示されます。

また、それぞれの危険度は、防災マップ・ハザードマップで示された危険区域と重ね合わせて見ることもでき、実際にどの場所でどんな危険が迫っているのかを、視覚的に見ることができます。

災害危険度の地図情報は、気象台が発表する大雨や洪水の注意報、警報の発表基準とも連動しています。大雨や洪水の注意報、警報が出たら、地図情報で、きめ細かな、危険なエリアを確認する習慣をつけておくといいでしょう。その際は、KRYテレビのデータ放送も、ぜひこまめにご活用ください。

目の前に災害の危険が迫った時... 2020年7月6日放送分

災害の危険が迫り、迅速な避難行動を行うには、気象台や自治体などから出される様々な情報に注意するとともに、皆さん自身の五感をフルに活用して、周囲の状況の異変をいち早くキャッチすることが大切です。

山崩れやがけ崩れの起こる直前は、山の斜面がひび割れたり、濁り水が噴き出したり、また、土石流では川に木の枝が流れるなどの現象が現れることが知られています。

ただ、これらは災害の「前兆」として知られていることが多いのですが、実はすでに災害が起こり始めて、危険が目の前に迫っていることを示す現象であることに注意しなくてはいけません。
前兆現象を発見することにこだわらず、少しでも異変を感じたら、すぐにその場を離れる、と心得ておくことが大切です。

また、大雨ではしばしば、急激に周りの状況が変化して身動きできなくなることがあります。その際には次善の策として、家の中でも2階以上の高い場所や、崖と反対側の部屋で過ごすことも、リスクを少しでも減らすためには有効です。
また、避難所等に行かずに家の中で危険をやり過ごす、と決めたら、停電の時の情報収集のため、携帯電話やスマートフォンの充電、断水に備えて生活用水確保などは、すぐにでも行っておきましょう。

特に梅雨の終盤戦で時々、天気予報で耳にすることがある「周りの状況などに気をつけて」というフレーズは、「危ないかな?」「普段と違うような?」という感覚を大切にして、早め早めに万が一に備えて欲しい、というお願いの気持ちを込めたメッセージです。防災意識を一段と高めて、目先の危険をしっかり回避し、無事に乗り切って頂きたいと思います。